第5話 よく解らん二日目の続き
「は~いクジできたよぉ~」
適当に紙を破り印を付けたであろう両手いっぱいに持ってきたその人は適切な言葉は解らないが犬にしか見えなかった
「有難うございます先生」
えへへ~と俺の席へ向かうその姿に
俺はこれから後3年も付き合う?付き纏われるのを実感した…
「じゃクジが出来たので希望の人は取りにきてくださーい。早いもの勝ちでは無いですからね~」
の言葉にわらわらと集まった良くわからんヤル気女子達は教壇に置いてある折り紙容姿を手にした
「あたしこれ!」
「わたしはこれ!」
「ちょっとそれわたしの!」
「あっそれわたし狙ってた」
‥‥‥
「はーい喧嘩しないでね~やり直しするよー」
千切った紙の取り合いって何してんの君等?
「三人ずつ取りに来て~順番は任せる」
チラチラと何やら牽制しながら動き出す女子達
思い想いに折られた紙を取り
そして最後の一人が取り終わった…
すげー緊張感たっぷりが俺には解らない
この良くわからん濁った空気を解消する術は俺は知らない
が…クジを握りしめた女子達が何故か俺に注目する
ん?
ん~?
えっ?それすら俺の仕切り?ホントに??
「じゃークジを開いてください」
‥‥‥‥‥なんだこれ?
合格の是非を問うような沈黙の中、紙が擦れる音だけが聞こえる
「あ…」
「くっ…」
「ダメかぁ~」
「えっ?やった!」
「ちっ」
「あ~」
「あっ来たコレ!よっし!」
「…」
「なんで…私今日の占い1位だったのに」
「あーーーーーーやったぁ~すっっっごい!やったやった」
「そっかぁ~」
「いいなぁ~」
「終わった‥‥‥」
狂喜乱舞とゆうヤツだろうか?
肩を落とす女子、恨めしそうな視線の女子、ガッツポーズに飛び跳ねてる女子、机に突っ伏してる女子まで居る
誰か説明せよ!
クラス委員決めてるんだよねコレ?
そんなにやりたいなら代わるよ喜んで
「そんなにクラス委員やりたいなら俺と代わる?」
「「「それはダメ!」」」
何でだよ!?
ホントマジ訳解らん…JKの生態系については後で黒崎さんに聞こう
「先生、クラス委員って学期毎ですか?」
「あーそれは—」
「「「1年でお願いします」」」
ホント何なの君等?俺なんかした?マジ勘弁なんだけど‥‥‥
学校って適当に選んじゃダメなんだね
「ずっとやって貰うから安心してね」
そっかぁ~…そうか…そっか‥‥‥
「蒼井君これから宜しくね!あっ私、
ポニーテールを揺らしながら両手の拳を胸の前で握りしめ、ユルユル雰囲気MAXだけど、さっきピョンピョン跳ねてた子だけど、クラス仕切れるのこの娘が?
それはもう嬉しそうに伝えて来るが…クラス委員って頑張る程大変なの?
「うん、宜しく笹井さん」
「私、
髪をサイドで止めた如何にもスポーツ大好き女子は、初対面で慣れ慣れしくガッツポーズをして、あざとい敬礼ポーズで挨拶してきた
「うん、酒井さんこちらこそ」
「
ショートカットで大きな眼鏡を掛けた見た目から分かる生真面目女子。さっき俺を推薦した子…が丁寧な挨拶をってお前かよ!?
「うん。宜しくね林さん」
ウダウダと何時まで言っててもしょーがねぇ
時間とか後で色々社長に相談だな
俺に並んだ4人でクラスを見渡し
「この4人でクラス委員を務めますのでよろしくお願いします」
ペコリと頭を下げれば、盛大な拍手に苦笑いしか出ねえ…
「サポートのお二人は席に戻って大丈夫ですよ」
何故か名残惜しそうな二人を席に戻し
「先生?」
「はい?」
「この後の委員って直ぐに決めない事柄ですか?」
「ん~‥‥‥その都度決めても問題無いけど、何か有るの?」
「そうですね。今更ですが先生のお名前伺ってませんので自己紹介?しませんか」
自己紹介なんて普通初日にやらない?
俺が新入生代表だったからみんなは知ってるかもだけど俺はさっき挨拶した3人しか知らないよ?
「‥‥‥‥‥あっ!?」
って今気づいたんかい!?
「昨日は緊張とかでもう舞い上がってて…えへへ。ごめんなさい。じゃぁ裕翔君からお願いします」
いやお前からだろ!!
「なんで俺から…はぁ~。まぁいいや。えっと改めて蒼井裕翔と言います。先ほどクラス委員になりました宜しくお願いします」
「じゃー次は私!笹井裕子です。蒼井君と一緒にクラス委員頑張って行きます」
「そうゆう事なら次はあたしだね!酒井仁美!裕翔君のサポート委員なんで宜しくね!」
「次は私ですね。蒼井君のサポート委員の林明美です。皆さん宜しくお願いします」
俺のサポート委員って何?
「はい!—」
「はい!——」
————
―――――――――――――
「
えっと…あー…その…なんだ…
名前は良いとして、誕生日とか趣味とか好みのタイプとか色々言ってるけど、わざわざ俺の前に来なくてもよくない?
怒涛の自己紹介で最後の佐々木さんしか覚えられなかったよ‥‥‥
男子何処いった!?
凄いスルーされてるけど聞いてやれよ!!
「はいはい。みんな自己紹介は終わったね。じゃー残りの時間で決められる委員決めちゃいましょうか?」
あーポンコツスキル全開だなこの人
「…先生の自己紹介が終わってませんが?」
「えっ?あたし!?」
「先生が呼称で良いなら無理には進めませんが?」
「言って無かった!?」
「良し解ったポンコツ先生ですね!訂正・異論・意義・認めません!じゃーー皆さんで—せーの!」
「「「「「「「「「「ポンコツせんせー」」」」」」」」」」
んむ…言いづらかった‥‥‥
「ち、違うからね!?みんなヒドくない?裕翔君もそんな言い方しなくても…」
「そう思うなら教師らしく対応してください。それと、そのスーツは悪く無いとは思いますけど、もう少しカジュアル色入れたら良いと思いますし、可愛らしい服も似合うと思いますよ?」
「えっ…そうかなぁ~…じゃぁ次の休みの日に選んでこようかな…えへへ」
「ねぇポンコツ先生…」
未だ俺の席に座る先生にいい加減ウザさを感じ
「いい加減仕事してくれませんか?俺を頼るのは百歩譲っても本来は…ですが、貴方はこのクラスの担任とゆう立場を認識と理解をしていないようですね?昨日のお話じゃ足りませんか?もう少しお話します?俺は貴方の教育係りでは無いのを理解してください!」
「あっ‥‥‥‥‥ゴメンんなさい裕翔君」
「理解出来たなら席を変わっても?」
「はぃ‥‥‥」
「では一年間このクラスの担任になるポンコツ先生の挨拶をどうぞ」
「そんな言い方って…」
「ないの?」
「あっ…うん…」
「頑張れ!めっちゃでかく黒板に名前を書いてやれ!!」
「うん!!お兄ちゃん♪」
黒板いっぱいに大きな名前を書いた先生は
「今日…じゃないか、昨日からこのクラスの担任になった
深々と頭を下げ、やる気と想いと意欲と‥‥‥おれ?
俺の名前が出なければ手が痛くなるほどの拍手送ってやったのに…なんで俺なの?居なかったらどうなるの?
熱演してたけど最後の最後で台無しだよ!
俺にヨロシクじゃねーよ!!
「黒崎さん」
「なんですか?裕翔君」
「女子高生の生態系について色々聞きたいことが在るのですが?」
なにがあったの!?
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