第4話  二日目

「今日は講堂で部活紹介があります。それが終わり次第各委員を決めたいと思います!」


昨日のポンコツは何処へバリに元気よく張り切ってるが

俺はどちらも参加するつもりないのでスルー


「では移移動して下さい」

子気味良い手を叩く音でザワザワと移動を始めるが

俺は資料本に目を落とし読みふけるが…


「お兄ちゃん」



「裕翔君」


‥‥‥


「何ですか先生?」


お兄ちゃんは色々ダメなのは気づくはずなのに気づいて貰えなかったから名前呼びだけは了承したんだけど。その縋る様な目は何?


「えっとね…これも学校行事の一環で‥‥‥」


ん~…動く気配の無い俺の態度に気を使った?


「行く必要あります?俺部活なんて全くもって興味ないですよ?」


「でも…あのね‥‥‥」


本を閉じパタンと机に本を落とし目線を合わせる様に向き直し睨んでる訳ではないのに肩が跳ねる先生


「あのね先生…団体行動の大切さって義務教育で終わってると思てるのって俺だけですかね?それとも高校って未だ義務教育中だったりします?」


その言葉に先生の目尻が光る…


「そもそもこの学校は部活に入る入らないは自由ですよね?でしたら何故学校行事になってるのでしょう?それとも、先生はクラス全員が会場に居ないとゆう状況に自分の立場を危惧したり…ですか?」


その言葉に涙腺が決壊した先生は

「お兄ちゃんヒドイ!そんな言い方しなくてもいいじゃん!!…ずっ…ヒック…私だって頑張ってるんだもん…なぁ…ん…で…わぁぁぁぁぁぁ~~」


えぇ~‥‥‥‥‥号泣って…メンタル弱すぎない?


頑張ってるってたった1週間だよね?

これからのアンタの教師人生ってそこそこ長いよ!?


ホントに先生やって行ける?

お兄ちゃん心配だよ!?


お兄ちゃんじゃ無いけどね!!


さて…疑問と質問しただけで号泣されたんだけど…どーすっかこの状況


ん~

言葉を繰り返してみよう‥‥‥

ポンコツだから相手が母さんだったら‥‥‥‥‥


うん。号泣される未来しか見えない…うん反省ゴメンナサイ



先生の頭を撫でながら

「すみません少し言い過ぎた様ですね」


「怒ってない?…」

上目使いでウルウル視線を向けて来るが


子供かっ!?

身内なら我慢できるが、他人だとスゲーウザいのは気のせい?


仕方なく本を片手に講堂へむかう

うん本を読むならソファーが一番だな





「じゃーこれから各委員を決めたいと思います!」

教室に戻りそんな話が始まった


「まずはクラス委員からね。で、その前に…裕翔君!進行お願いしてもいい?」

「ん?」

「まだ先生になったばかりでこうゆう事まだ慣れて無くて…その…」


ん?

俺も高校生になったばかりだよ?

そして俺も慣れてないよ?

もしかしなくても頼めば何でもしてくれる人みたいになってる?


あっ…もしかしてじゃなくて常にいっぱいっぱい?

まぁそ~だよな~偽った時点ねダメなんだけどね…


そして空回りしちゃってる時に俺からの説教からのフォローの言からのお兄ちゃん‥‥‥


俺はあなたのいち生徒であって上司でも先輩でもお目付け役でも教育係りでもで無いのですが?


って事は俺がこの人を自立させる?先生として!?

手遅れかもしれないけどちゃんとお話ししないとだよね!!



まぁさっき泣かせちゃった手前強くは言えないし…ん~仕方がないのか?


ってポンコツは何時まで経っても治らない不治の病だからなぁ…


はぃはぃやりますよー

だからそんな縋る様な目は辞めようね


教壇に立ち改めてクラスを見渡すが意外と少ないな…5×5席

25人しか居ないのか…しかも女子率高くない?男子9人しか居ないよ?


そして先生‥‥‥何故俺の席に座りそのワクワクした表情で『頑張って!』みたいなポーズは何?

先生の机其処じゃないでしょ?そこそこの困惑ムードだよクラス内が‥‥‥


だって視線が俺に向いてないもの


このままじゃ何時まで経っても終わりそうにないのサクッと行きますかぁ


パンパンと手を叩き注意をこちらに向けさせ

「えっとじゃークラス委員決めます。自薦、他薦どちらでも良いので挙手をお願いします」


と、言葉を投げたところ、大半の女子からの手が上がった


女子のやる気すごいな!?


「じゃあ~そこの君どうぞ」


選ぶのも面倒なので目の前の女子に


「はい!蒼井君がいいと思います」

と、口にした瞬間かなりの拍手が‥‥‥


おぉぅ

って先生まで拍手してんじゃないよ!

これは断れない雰囲気…ちょっと待て!俺はバイトが忙しくそんな時間は‥‥‥


「えっとね…うちは母子家庭でね、家事やらバイトやらで凄く物凄ーく忙しく、だからあまり学校での時間使うわけにもいかないのね」


「だったら私達がフォローするよ!」

「私も手伝う!」

コクコク…


だったらお前がやれ!と声を大にして言いたい

みんな頷いてるし…

じゃなくってー遠回しに断ってるの理解して!


「えっと先生。クラス委員って一人?」

「女子からも一人選んでね」


「じゃぁ…」

誰かと、言う前にすでに結構な数の手が挙がってるが、そのやる気に俺を巻き込まないで欲しい。そして出来る限り一人にして置いて下さいボッチ希望なんで


「…クラス委員やりたい人?」

うんうん


「ん~…じゃー先生。俺の鞄にノートが入ってるのでそれでクジ作って下さい。数は~13枚で。二重丸がクラス委員で丸がフォロー役で…念の為丸は二枚でお願いします」

「は~い」

「少し待っててね。ってかみんな凄いやる気だね?ホントに俺じゃなくても良くない?」


空気悪くしない様に俺要らないアピールしてるんだけど


「蒼井君じゃ無いと駄目なの!」

「だって蒼井君新入生代表だよ!」

「主席だし」

「そうだよ!」

「先生だって拍手してたじゃん」

「蒼井君しか居ないよ!!」


すげぇ~推しだなおい!

君等のその熱量は一体何処から来てるの?


男子に目を向ければ目を反らされるか睨まれるか…


全くもって理解出来ん…俺なんかした?昨日なんて先生としか会話した記憶しかないよ!?




































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