金曜日のNHKから受けた感動 ——校正者とある絵本——

 さぁ、今見て下さっているみなさんは小説を書かれている方がほとんどですよね。

 我々は、誤字脱字とかそういうのは推敲して直してますけど……。

 実際の本はそうではないそうです。

 芥川作家とかでも、作家、編集者などなど様々な方が関わって本を出しています。

 そして、その中に校正者がいます。

 校正者は校正、つまり誤字脱字とか日本語の間違いを指摘する仕事です。

 ゲラを見て、ひたすら赤ペン握って送り返す地味であまり知られていない仕事。

 そのせいで、偏見があったり、せっかく校正したのに作家からバカにされることもあるそうです。

 そんな校正者の物語を昨日、たまたま見ました。NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」を。

 https://www.nhk.jp/p/professional/ts/8X88ZVMGV5/episode/te/8XW78LPXYG/

 ここでは、関西の兵庫県芦屋市に住むフリーの校正者、大西寿男さんの物語が紹介されています。彼は池井戸潤さんの「陸王」とか宇佐美りんさんの芥川賞の作品「推し、燃ゆ」などの校正を手掛けています。

 宇佐美りんさんも出演していて、すごい助かったと、大西さんがいないと怖いって……。

 それくらいすごい方なんですね。

 校正でマズかったらまず大西くらいまで言われる、プロの作家とか編集の世界では凄い有名なんだそうです。

 毎日しっかり校正。ペンを片手に六十の身で誤字脱字、日本語の間違いを指摘しますが、それがまたすごい。少しでも疑問を持つところがあれば様々な資料を使って徹底的に調べ、作品の根幹にかかわるような言葉のあやでも伝え、編集さんと話し合って決めていくそうです。

 すごい。

 登場人物のこととかでもしっかり読んで、もはや校正者以上の仕事をやってのける。

 料理やコーヒーを取材班の分まで作ったり、長編小説の校正が終わると打ち上げに誘ったり。

 人柄が出てきてるんだなぁと思いました。


 でも、編集者に比べ校正者の地位はまだまだ低いし、そもそも知らない人だっているわけです。

 本にもその名前は載らない。

 こういう方がいるのを忘れずに、「言葉の守り手」の「言葉」を守りたいなぁと思いました。

 書く手にどんどん力が入っていく。

 なんなら僕の小説も校正してほしい位です(笑)

 プロフェッショナルって久々に、フルで見たのは恐らく初めてなんですけど、取材班もすごかったです。ラストは特にすごかった。

 大西さんの仕事の流儀はすごいですよ。

 作者を思いやる姿勢もすごいです。

 今ならNHKプラスで見れるぞう!


 上楽;「NHKの宣伝をしてるわけじゃないんですけど……(笑)」


 ついでに言ってみると、阪神淡路大震災からもうすぐ二十八年。僕は経験してないものですが、ニュースウォッチナインで震災で亡くなった方の描いた「絵本」と父親の思いが伝わってきました。

 ニュースのやることではないようなことかもしれません。

 でも、この番組は今起こったことをこうこうこうでしたって伝えるだけではないと思うんですよね。これを僕は評価したいです。

 自分のやることじゃなくても、やるべきだと思うこと。しっかり作者や視聴者に伝えなければならない。

 そんなことはやるべきなんだろうなぁと思いました。


 金曜日の夜のNHKのテレビから受けた、二つの感動でした。

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