第7話 迅鬼《じんき》
「
「は、はい!」
「へっへぇ!逃さねぇよヒヨコさぁん」
振り返った
するとなんと、
追いつかれると思った瞬間、
後ろを見ると、
「俺に背を向けるとは、なんて愚かなんだ、
鎖の端を右手に握っている
すると鎖鎌が一層光り輝き、
「うぎゃあああっ、
本堂内は外の酷暑や
物理的な壁はなくとも、妖魔が入れない結界が張られているのだ。
「ぐぎぎぎぎ、おまえ、まだあの女のこと忘れてないのかぁぁ?
「黙れ! 黙って死ね!
「
「
「最後だ! 二指青天!」
すると青の光は瞬く間に鎖を伝って
「うぎゃああああ、あちぃあちぃあちぃ!」
鎖が解け、地面を転がりながら苦しむ
「むんっ!」
青の炎はやがて消え、黒く炭になった
まだ煙が燻っているが、完全に炭化したようにみえる。
「近づいちゃいけない!」
「うわっ! なんで生きてるんだ!? うわぁぁ!」
すると
「へへへ、炎に包まれる前に身体中の毛を生やして全身を覆ったのさ。炭化したのはその毛だ。さすがにダメージは負ったが、致命傷じゃねえ。ヒヨコのお前を殺すぐらい訳ねえなあ」
「ぐぁっ!」
そのまま
「ぐがあああ、小賢しい、こんなものおおお!」
さらに空いた結界の穴に両手を入れ、穴を無理やり広げると、人が通れるほどの大きさになった。そこから
「待て
全力で本殿に向かって疾走する
しかし到底間に合う距離ではない。
「へへへっ、ヒヨコ狩り完了っと!」
右手の長い爪を
「……」
目を瞑っていた
その瞬間から1秒も経っていないだろうが、攻撃されていない。
苦しみに耐える
(なんだ? 助かったのか? 何が起きた?)
「だ、誰だ?」
振り向く
「私に背を向けるなんて、愚かの上塗り」
「ぐぐっ」
そこには血が滴る刀を構えた、袴姿の美しい少女がいた。
「小雪、
代わりに
「お前は破邪士の拠点を襲撃したんだ。背後に気を配らないのは、馬鹿の極みだな」
「へっ、俺は後ろも見えんだよ、その嬢ちゃんの
「お前に言われずとも。そろそろ死ね、
鎖鎌に光を込める
「そうはいかねぇなあ、また会おうぜ
捨て台詞を残すと、
「あいつ! 結界内でも霧消の術が使えるのか……、迂闊だった……」
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