友情結婚の婚活。出会い。別れ。
とにかく私には紹介できる人が少ない、と言われていましたから、よほどのことがない限り、私からお断りはしないようにしようと決めていました。
そして最初に紹介された方は1つ年下のゲイのAさんでした。
大人しい方で、読書や茶道が趣味とのこと。周囲にカミングアウトはしていないけれど、たまに出会い系アプリで知り合った方と会うなど、ゲイとしての活動もしているということでした。
私は相手の方にパートナーがいても問題ない、むしろ是非どうぞと思っていたので、無事交流期間へと移行しました。
交流期間にまずやること。それはすり合わせです。
恋愛結婚の場合は親密になるためのデートと言うことになるのでしょうが、私たちの場合は結婚に求めていること、どういう生活がしたいかを事細かに詰める作業からはじめます。
実は相談所からすり合わせ用にと、冊子を渡されていました。
項目ごとに自分の希望を書けるようになっており、量としてはA4で5~6ページくらいです。まずはこれをもとにお互いどう考えているか、どこまで妥協できるのか、を話し合っていきます。
やって見て思ったのは、むしろ恋愛結婚であってもやるべきだということです。結婚してから揉めてしまった、という話はよく聞きますものね。
それはともかく、住居、家事、休日の過ごし方、性生活、金銭、家族行事、仕事、子供、生活上のルール、その他もろもろ本当に細かいことまで話し合います。
だいたいこのすり合わせで8時間くらいは使ったのではないでしょうか。ただ、時間がかかったのはあくまで項目がとても多いからで、ある程度マッチングしていただいているので、大きく希望と食い違う、ということはなかったように思います。
ではだいたい希望条件が一致しているね、となったらどうするか。
そこで改めてご飯に行ったり一緒に出掛けたり、所謂デートみたいなことをします。ただ、あくまで友情結婚なので、友情を深める活動という前提は変わりません。
同居を希望している場合は単純に共同生活が営めそうか、ということもそうですし、今後苦楽をともにできるかどうかをしっかり見極めなければいけないのですね。
で、どうだったかというと、残念ながら私はAさんとはマッチングしませんでした。
ある日、いつものようにお会いして、では次は2週間後くらいにお会いしましょう、と言って別れた次の日。
相談所から、Aさんが別の方と結婚することが決まりましたという連絡が来て終了です。
正直ショックでした。
もちろん好き、という感情はありませんでしたが、単純に誰かと天秤にかけられて選ばれなかったということが悲しかったです。
ただ、Aさんが別の誰かとも交流期間に入っているであろうことは薄々わかっていましたし、活動的な私と大人しいAさんは本質的に合わないかもしれないな、とは思っていました。
それでも、他に紹介されている人がいなかった私は、この後本当に相手が見つかるのか不安になったのを覚えています。
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