本当に友情結婚する気あります?
それはLGBTQ+専門の結婚相談所に行く前のことです。
あるLGBTQ+の交流会に参加したところ、私が入会をしようと考えていた相談所の無料相談に参加したことがある方のお話を伺ことが出来ました。
いわく、友情結婚に至るまでの流れやその相談所の実績、登録状況等基本的な説明があるのは当然として、とにかく『本当に友情結婚する気はあるのか』を確認されたとのことでした。そして結果的にその方は入会を見送ったそうなのです。
詳しくお話を伺って私が受けた印象としては、中途半端な目的意識の人をふるいにかけているのだろう、ということでした。
結婚相談所である以上は実績がとても重要になるので、それは企業としては間違っていない戦略だと思いましたし、下手な気休めを言われるよりは信頼出来る気がしました。
そんなわけで、私もまずは無料相談を受けてみることを決めました。
◇ ◇ ◇
お約束をした当日。
聞いていた通り、いやそれ以上でした。
とにかく『本当に友情結婚する気はあるのか』を散々確認されました。それはもう、この人は実は私を入会させる気がないのではないか、と思うほどに。
しかし改めて、中途半端な気持ちではできないのだということを理解し、今一度目的を整理しました。
友情結婚をする理由はもちろん人それぞれですが、代表的な理由を踏まえて考えてみました。
◇ ◇ ◇
①子供が欲しい
特にこの理由をあげる人はとても多いそうです。結婚する理由としても分かりやすいですよね。
結婚しなくてもどなたかに協力を仰いで子供を設けることもできますが、生んで終わりではないですからね。
また、今は体外受精や里親制度を利用するといった方法もありますが、配偶者がいるかいないかでは超えなければならないハードルが全然違います。
そういった意味では、子供が欲しい、というのはすごくわかりやすい理由です。
では私の場合はどうかというと、子供は別に欲しくありませんでした。子供は好きなのですが、あえて欲しいとは思わない、パンダが好きでも飼いたいとは思わないのと同じ理由です。
②パートナーが欲しい
例えば、年齢を重ねるうちに一人でいることが虚しくなってきた、寂しくなってきたとか、将来のことを考えると人生をともに過ごす人が欲しくなってきた、というような理由です。
これに関しては私も理由の一つでした。ただし、絶対条件というわけではありませんでした。
人生の有料オプションのようなもの、というと失礼な表現かもしれませんが、いたらもっと人生が豊かでハッピーになるかな、という期待のようなものでした。
③家族のため
主には親、ということになるでしょうが、家族からのプレッシャーあるいは家族を安心させるため、という理由です。私の場合はこれが最大の理由でした。
前にも書きましたが、私の母親は『結婚して子供を産んで初めて一人前』という言説を頑なに信じているような人物ですから、とにかくプレッシャーが凄かった。お見合いを勧められたこともあります。
さらに私の場合は叔母やいとこからのプレッシャーもありましたので、親族の集まりは時に本当に苦痛でしかない場になることがありました。
最終的に友情結婚を決めた理由も、やはりこれということになります。
④世間体やキャリアのため
驚くべきことに、社内でステップアップするために配偶者が必要、という企業がまだ日本にはあるのです。
そこまで露骨な差別はなかったとしても、配偶者がいないというだけで人間性を疑われることもあります。配偶者がいる人の中にだって、不倫したりDVをしたり虐待をしたりという人もいるのに。
多様性が叫ばれるようになっても、リテラシーの差は開いていくばかりです。傾向として、やはり世代が高くなるほど固定観念に縛られている人の割合が多くなるように思いますが、20代の方からも結婚に関する差別発言を受けたことはあります。
そもそも世間一般に多様性が浸透すれば、友情結婚の必要性は限りなく低くなると思いますが、今はまだまだ、なのでしょうね。
もちろん、この理由も私が友情結婚を目指す理由の一つでした。
そこまで考えて、改めて私は友情結婚の婚活を始めよう、と決意したのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます