1話

「へぇ~こんなところに公園あったんだ~」


なんとなく散歩に出かけた土曜の午後。

思いのほか楽しくて結構な距離を歩いていた。


そして見つけた小さな公園。

遊具は砂場とブランコとすべり台だけ。

う~んこれぞ公園。


ちょうどおやつの時間だからか子供達の姿はなく、ボ~っとブランコに座っている男性が1人いるだけ。

…せっかくだし話しかけてみよう!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


僕とひよりの管理している別荘の目の前に公園がある。

そこのブランコは僕のお気に入りだ。

ま、ブランコならどこでもいい。

僕はブランコが好きなんだ!

気持ちいいもんね。


「こんにちは」


ここら辺ではみない顔の女子がいきなり話しかけてきた。


「今日はいい天気ですね」

「はぁ、そうですね」


…誰やこいつ


「お隣よろしいですか?」

「あ、どうぞ」


隣のブランコに腰かける彼女。


「私、鈴鹿瑠美すずかるみっていいます」


いきなり自己紹介してきたよ。

別に良いけどさ。


「…えっと、貴方は?」


見ず知らずの人間になして名乗らならん。


「本田悠斗です」


名乗るけどね。


「いいお名前ですね!」


そうかね?


「悠斗さんはこの辺にお住まいなんですか?」


なんでそんなこと訊くの?


「ええまぁ」


答えるけどね。


「そうなんですね!あ、高校生ですか?」

「ええまぁ」

「私、中学生です!」


誰も訊いてないよ。


「そすか」

「あ、もし良かったら勉強教えてもらえたりって…」

「嫌です」


…もしかして逆ナン?

男趣味悪くね?


「即答ですか」

「まぁ」

「私と悠斗さんの仲なのにひどい!」

「は?」

「冗談ですよ♥️」

「でしょうね」

「フフッ悠斗さんって面白いですね」


…どこが?


「それじゃ、私はこれで」

「はぁ」


なんだったんだろ?




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「本田悠斗さん、か…」


面白い人だった。

…いや、興味深い、かな?





私の能力が効かないなんて



能力閉鎖クローズ、10%」

『声紋一致、能力閉鎖クローズを許可します』

「能力、魅了」


フフッ悠斗さん、絶対堕としてみせるからね♥️




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