3話
カレーの匂いで目が覚めた。
…あれ、寝てたのか…
時計を確認するともう20時。
家に帰ったのが確か17時ぐらい。
で、何となく疲れてたからそのままベッドにダイブして、3時間経過か…
「う~ん、よく寝た」
リビングに行くと、みるから不機嫌そうな三雲さんが座っていた。
「遅い」
教室ではいつも笑っている彼女だけど、僕の前ではいつも不機嫌だ。
なんか嫌われるようなこもしたかな?
にしても、今日はいつも以上に不機嫌そうだな…
「ねぇ、聞いてるの?」
「ふぇ?」
やべ、聞いてなかった…
「2時間も待ってたんだけど」
「ごめん…でも起こしてくれたらよかったのに…」
「部屋、鍵かかってた」
「すんません」
そりゃ不機嫌にもなるよね。
…先に食べてたらよかったんじゃね?いつもそうしてるじゃん。
「今、温めなおすから」
そう言ってキッチンへ向かう三雲さん。
ギャルっぽい見た目なのに本当に家庭的だよね。
掃除、洗濯、料理どれも完璧にこなしている。
東雲寺のメイドにもこんなすごい人はいなかったと思う。
…あいつは別かな?
もう2度と会えないけどね。
「出来た」
「あっ、ありがとうございます」
「ん」
「「いただきます」」
パクッ
う~ん旨い!
口にいれた瞬間にとろけるジャガイモ&玉ねぎ。
ジューシーな牛肉、甘い人参。
そして、それらをまとめあげるスパイスが奏でるハーモニー
「あのさ、本田」
脳内でおこなわれていた下手クソな食レポは一旦中断。
え、三雲さんスゲー怒ってんじゃん。顔めちゃくちゃ赤い…
「今日はさ」
なんかやらかしたかな…
「本当にありがとうございました!」
あへ?
「えと、何のことですか?」
「ほっほら!今日、私達がからまれてるとこ助けてくれたじゃん!」
あーね、普通に忘れてたよ。
「別にそんな大したことじゃないので、気にしないでください」
「ううん、大したことだよ!誰も助けに来てくれなかったのに助けに来てくれて…その…うん、すごく嬉しかったです」
カレーのために助けたなんて言えないよね…
「そのさ、お礼したいんだけど、なんか私にできることってないかな?」
お礼って…あ、エッチなこと…さすがに止めとくか…え~特にないなぁ。あ、そうだ!
「あの、1つだけ」
「うん!なになに?」
「何で僕の前ではいつも不機嫌なのか教えてほしいな~って」
マジでナゾなんだよね…
「えっ?私が本田のこと嫌いだからだよ」
=(;゚;Д;゚;;)⇒グサッ!!
え!?嫌い!?
…もうちょいオブラートに包んで言えないのかな?普通にショックだよ…
「えっと、それはなんでですか…?」
理由を知りたい…
「わからない?」
知るか!
「あっ、はい」
「そ、んじゃ1つ目」
えっ待って待って!理由いくつかあんの!?
「初対面の時にいきなり下ネタぶっこんできたこと」
へ?
『もし気になるなら体で…』
『は?』
あれかな?
あれは、三雲さんがガチガチに緊張してたから和ませてあげたくて…
いや、アウトか。
確かに初対面の奴に下ネタぶっこまれたらひくわ。
「2つ目。私のことを貧乳って言った」
貧乳じゃん。
断崖絶壁、Theまな板って感じ。
「今、失礼なこと考えてたでしょ」
なんでわかった!?
「3つ目」
まだあんの!?
「敬語がキモイ」
は?
「あのさ、私達同い年だよ。ついでに同居してるわけ。最初のうちはまだわかるけどもう3ヶ月だよ!普通に敬語使われるとなんか腹立つ」
あ~確かに。でも癖だからな…
「申し訳ありま「ほらまた!」…」
そんなこと言われてもな…
「今すぐ止めて!」
……
「ごめん」
「…」
なんだその顔は
「三雲さんが敬語止めろって言ったのにその顔は無いんじゃないでしょうか」
「あっごめん。なんか違和感すごくてって、また敬語!!」
「申し訳…ごめん」
「よろしい」
三雲さんが笑ってるのちゃんとみたの初めて見たけどかわいいな…
「なによその顔は」
「何でもありま…ないよ」
「ブフッ無理してる感半端ない」
無理してんだよ!
「嫌いな理由はこれだけ。まっ下ネタの件は大して気にしてないし、敬語は改善そうだからもう嫌いだとは思わないよ」
あれ?
「貧乳は?」
「ユルスワケナイダロ」
怖っ!!
「言っとくけど私、貧乳じゃないから」
いや、絶壁じゃん
「あと、10年もしたらブルンブルンになるから」
「あっそう」
ブルンブルンって…プルンプルンじゃダメなの?
あと、今は間違いなく貧乳だよね?
…突っ込まないどこ。
ハァ…カレー食お。
「あっ!そういえばさ、悠斗ってなんか格闘技習ってたの?」
「え?」
「凄く強かったから気になってさ」
「あっ、そっちじゃなくて悠斗って?」
「あれ?名前、悠斗じゃなかったっけ?」
「あってま…あってるけど、どうしたの?」
「だって、一緒に住んでるのに名字呼びってなんかやじゃない?あっ、悠斗も私のことひよりって呼んでね」
急に距離近いな…
僕の感覚で言うと、使用人同士名前で呼びあうってあり得ないんだけどな。
でも、三雲さんの言ってることも分からなくはない。
よし、これからはひよりって呼ぼう!
…一応さん付けしとこうかな。呼びすてはキツイ。
「うん、分かったよ。ひよりさん」
「さん付け禁止!」
えぇ~
「分かったよ、ひよりちゃん」
「キモイ!」
酷くね?
う~む…ここは腹をくくって…
「ひより」
「…」
いや、なんか言えし。
ん?顔赤いな…
「ひより」
ビクンっ
「ひより?」
「…っ!」
「ひより~」
「う~」
ヤバい、めちゃくちゃ面白い。
ヨシ!じゃあ次は…
「ひより」
耳元でささやいてみよ~
「~っ!!ふざけるな!!!!」
やり過ぎましたか
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
プロローグの癖に長くてすみません…
まだまだ続きます。
評価( `・ω・´)ノ ヨロシクーお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます