第1話

高校生活が始まってもう2ヶ月。

僕はクラスメートから陰キャボッチとして認識されている。

理由は2つ

①目元を隠す長い髪→陰キャ

②ここ、県立一松高校けんりついちまつこうこうの生徒は9割が地元の中学から 上がってくる。

要するに元々の交友関係は出来上がっている。見た目が根暗の僕に話しかけてくれる人は当然いない→ボッチ


「眠っ」


まぁ、別にいいんだけどね。なんだかんだボッチには慣れてるし、陰口叩かれないだけマシでしょ!


「あっじゃあさ放課後カラオケいかね?」

「いいね!三雲っちも行くっしょ?」

「うん!いくいく!」


教室の前のほうで陽キャ共が騒いでいる。

今日は金曜だし皆で遊びに行くんだろう。

まっ、他人事だしどうでもいいや!


ティントーン


ん?MINEだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

hiyo  今日の晩飯カレー。ジャガイモと人参             買ってこい  

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


今夜はカレーか。

あの人の作る料理なんでも旨いもんな。

特にカレーは絶品!

は~今から楽しみ!


「ムフフフフ」


「ねぇ、陰キャが1人でニヤついてるんだけど」

「うわ、キモ」

「なんかエロいこと考えてんじゃね?」


訂正。

陰口はありました。






       ー放課後ー


「カレー♪カレー♪今夜はカレー♪」


一度別荘に戻って荷物を置いてからスーパーに向かう。

華麗なるカレー狂想曲第一楽章を口ずさみながらルンルンスキップ。

ムム?あれは…


「なぁオレたちと行こうぜぇ~」

「こんなガキ共ほっといてさぁ~」

「ほら、オレらと大人の遊びしようぜ~」


大学生ぐらいの男3人に囲まれた陽キャgirls。


「ちょっと!やめなさいよ!」

「けっ、警察よびますよ!」

「誰か助けてぇ…」


あれ?陽キャboysがいない

…あ、6人全員ボコボコにのされてる

相手の2倍居たのに勝てなかったのね

面倒なところに居合わせちゃったな…回り道しよ。

こういうのは関わったらダメ。見ないフリ見ないフリ


「いい加減にしてください!私は東雲寺家のメイドです!私達に手を出したらあなた達なんてボコボコですよ!!!」


……は?

あ、三雲みくもさんいるじゃん。死角にいて気が付かなかった。

っていうか、なんで東雲寺の名前だしてんの?

普通に信じられるわけないじゃん。バカだね~

ほっといて帰ろ帰ろ


「人参♪ジャガイモ♪玉葱♪牛肉♪コトコト煮込んでカレー!カレー!カレー!……って!!」


三雲さん!?

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