超ド偏見な男子校の愉快な日常。
赤井錐音
い つ も の
ここはどこにでもあってどこにでもない男子校。
ここはいわば性欲を溜め込んだ獣の溜まり場である。(偏見)
えっちぃ漫画の舞台として性欲の捌け口を求めて新しくやってきた若手の女教師が云々かんぬん…とされてしまうであろうこの男子校でだ(ド偏見)
当然(当然とは言っていない)そんなドエロい俗人どもが集まってしまったからにはもちろん(もちろんとは言ってない)話す話題も一つしかない…そう、低俗な話題、それしか彼らの欲望を吐き出す機会などないのである!!!!(スーパード偏見)
月曜日の憂鬱となる朝のホームルームでとある仲良しグループが憂鬱を掻き消すために話していたどうでもいい話からであった。
「なぁ、お前ら…おっぱい派か?太もも派か?」
そうこの一言が全ての発端であり、諸悪の根源であった。
「いや、急にどうしたよ」
「なんとなく気になっただけだが…俺の中ではかなり大事な事であるんだ…いやなんとなくなんかじゃない!これで全てが決まるんだッッッ!」
「えぇ…やだよ。なんか人としてその話題を大声で展開することではないと信じたい」
「何いい子ぶってんだよ、ここは男子校。共学だったらいざ知らずともここは男子校だぜ?」
「いや何その『大事なことなので2回言いました』みたいな…」
「ここなら何を言っても女子たちに引かれないッッッ!止まらないッッッ!ドラ〇ナイッッッ!なぜならって…ここは男子校だから!」
「まさかの3回目!?流石にちょっとお腹一杯だわ!そして勢いで切実な思いを言うな!リズムがいいし、ちょっと同感したのが悔しいよ!」
てか、ドラゲナ〇はなんでだよ!言いたかっただけだろ!!
「で、結局のところお前らはどっち派なんだよ?もったいぶらずに教えろよぉ…ほらほらぁ…」
「ウザいよ!頭悪い詐欺師みたいでヤダよ!馬鹿正直に言う奴なんていないよ!」
「僕は太ももですね」
度の強いメガネを押し上げて誇らしげに言っているのは田中太郎。影の薄さに定評のあるどこにでもいるような男だ。
「いやなんで言っちゃうかな〜!?もう少し流れ読もうよ!?田中ァ!」
「田中は太ももか…」
諸悪の根源こと
「お前はどうなんだよ?天野さんよォ?」
「なんで絡み方がちょっと古いヤンキーなんだよ!性根から全然違うから似合ってもないよ!!」
「僕も言ったんですから、天野くんもちゃっちゃと言っちゃってください。ゴネるだけ時間の無駄です」
「え?これ俺が悪いみたいな展開なの?これ?」
「で?結局のところどうなんだよ」
「…ぱい」
「声が小さくて聞き取れませんでしたもう一回大きな声で言ってください」
「何も聞こえませんでしたな〜(棒)もう一度 大!き!な!声!でお願いしますな〜」
「お前ら絶対に聞こえてるだろ…」
首筋がピクピクッとなるがいつものことなので堪える。
「ああもう言ってやるよ!!俺は…俺はおっぱいが大好きだァァァァァァァァァァァァ!!」
急に大声で「おっぱいが大好きだァァァァァァァァァ!!」なんて叫んでしまったものでみんなの視線が俺らに集まる。
「よし!よく言ったぞ!我が同志よ!」
「クッ…君は僕と同じだと思っていたのにッ!」
「…君たちなんだか面白そうな話をしてるね?」
急に背後から男子校に似つかわしい女性然とした声が聞こえてくる。初めて聞いた時はかなり衝撃を受けたが、流石に慣れた。
「…なんだ早乙女か」
「男子校にいるはずのない俺らの心の危険因子が混じり込んでるみたいでいつもヒヤヒヤするぜ」
「たまにお前ってIQ上がるよなとかって言われない?」
彼女…おっと失敬、彼の名前は
145センチからなる小柄でスレンダーな体型と男子校では珍しいサラッサラのストレートロングからとても初見では男だと見破れる者は余程の
ちなみに一緒に銭湯に行ったらモツは付いてました…しかもめっちゃデカかった。あんなの見たら新しい扉が開きそう…って話がズレすぎだな。
「ちなみにお前はどっち派だ?おっぱいか?太ももか?」
「私は…太ももかな」
「ヨッシャ!!!!!!」
すげぇ喜ぶじゃん…田中…って相原は血涙を流してるッ!?!?!?
「いや、なんでだよ」
2人の行動が意味不明過ぎてテンション高めのモードで突っ込むのを忘れてしまったぜい…
「なんでお前らはそんなに太ももが好きなんだよォ!いいじゃんおっぱい!無限の可能性があるじゃん!あの全てを包み込むマシュマロ悪魔的包容力ッッッ!デカいのがコンプレックスと言ってさりげなく机の上に乗せるあざとさ!チラリズムの極地たちである下乳、横乳たちはもちろん!谷間の圧倒的蠱惑的魅力ッッッ!!あの中に顔をうずくめられたら…と思うと止まらないぞ!(何がとは言っていない)」
「なぜ、君は太ももの良さを分かってくれないのですかねぇ…素晴らしいものではないですか!あのムチムチの良さを理解していないなど、所詮到底僕らに追いつけない、だから童貞君ら情けない!」
「いや急に韻を踏むなし」
「…まぁ、ともかく太ももの魅力はムチムチの一言で終わるはずがなく、様々な魅力を併せ持つ変身型であると言うのが大変素晴らしいと思うわけでして、皆さまお気づきのように太ももには『生太もも』は当たり前、『タイツ』『ニーハイソックス』はもちろん『網タイツ』など男の野望を!飽くなき欲望を!全て担いで貰える素晴らしきものなのです。…さらにはデニールなる生地の濃さが変わることでさらに自身に好みにピッタリなものを見つけることができるのです!」
「こっちだって変身はできるんだぜ?こっちだってその素晴らしき形状を保つため、己の魅力を上げるため、『ブラ』なる衣を纏っているのだ!さまざまな色があることはもちろん白統一の清楚さ!黒統一の妖艶さも相まってその魅力の多さはまさに天野のえっちい画像ファイルの何重にも敷かれたパスコードの通りの如し!」
「なんでお前が俺の機密事項を知ってるんだよ!…あ、この前遊んだ時にノーパソ付けっぱでトイレ行ったからか…って納得しちゃったけど!しちゃったけど!!てか、何重にも敷かれてるのなんでバレてるんだよ!!途中まで解錠成功させるとかスパイかよ!!」
「なんなら中身も全部拝見したぞ」
「あ"あ"あ"あ"あ"!!!!!!全部見られてたぁぁぁぁぁぁぁ!!!!俺のプライバシーはどこ行ってんだよぉぉぉぉ!!」
「コホン、話を戻すが」
話を流しやがった…後で覚えてろよ…早乙女が苦笑してるじゃねぇかよ(吐血)
「どこまで話したか…そうそう、『ブラ』なる存在の色統一の素晴らしさまでいったのか、さらにはネグリジェなどという変化球も揃っており、スケスケなのは非常に目の保養となる」
「こちらの太もも様の魅力はあんな量はこの口論の氷山の一角の先っぽ、先っぽだけしかお見せしていないのですよ…!」
「こちらもまだまだァ!」
「大体おっぱいが好きと言ってますが貴方はデカいものの魅力にしか触れていない!つまり貴方は巨乳一強!ぺちゃもただのパイも全て語らずして本当のおっぱいの魅力に君は気づいていない!それに比べて僕はどうだ!太ももの魅力を余すことなくこれからも話し続けることができる!所詮貴様はただの巨乳好き!私は牛乳レベルまでいくと逆に嫌悪感を抱いてしまうッッッ程々のぱいで全てが収まるのに…!(個人の感想です)」
「私からも言いたいことがあるわ。大体『ロリ巨乳』って何よ!ロリはロリらしくロリロリしとけばいいものを相慣れない属性を足し合わせたって魅力は半減…むしろマイナス!悪しき…とまでは言わないけど私の好みから外れちゃっててそう言う要因がない太ももの方が私は好きだな」
「牛乳いいじゃねぇか!あの爆発的おっぱい!あのドエロボディのアソコから白いお乳が…あの官能的なものは全てのエロに飢えし男子高校生を救うのだよ!しかもロリ巨乳の魅力がマイナスなどど言うのは非常に…とても非常に損をしている。たしかにロリがロリロリしい体で一生懸命成人男性を甘やかそうとしている様は非常にえっちぃ!が、そのロリが包容力を持ったらどうだ?(自問)最強ではないか!(自答)ロリの健気さと共に年齢にあわない妖艶な肉体ッッッこれにそそられない者はいないであろう!否!いるわけがないのである!」
「ロリはいいゾ…」
「でたわね」
かくゆう俺はロリコンという側面を持っている。
「そういう太もも派だって異論はある!なにより太ももには特別感がない!いつでも見れる!だが!おっぱいはどうだ!?あの暴力的なものを見れないというもどかしさ!そこにかける熱い妄想!そこに全てが詰まっているではないか!」
「なにを言うか!太ももにだって特別感はある!タイツと生足の隙間はスカートによって見えない。しかし、そこを拝めた時に見える素晴らしき桃源郷ッッッ!あのタイツの食い込んだハムはとても官能的でとてもグレートなのですよ!」
議論はまだまだエスカレートする。
が、俺らにはとんでもない伏兵が潜んでいたのである!
「よぉ、お前ら朝っぱらから何をどんちゃん話し込んでんだ?」
「「「「あっ…」」」」
「太田先生!」
我らが担任太田先生のご到着だ。
「先生はおっぱい派ですか?それとも太もも派ですか!」
「朝っぱらあらする話題じゃねぇぞ!?」
「「「「先生はどっちですか?!」」」」
これは俺ら中の超重要な話題なのだ。(そうでもない)
(これで太田先生がおっぱい派なら…)
(これで太田先生が太もも派なら…)
((おっぱい)(太もも)が正義ということになる!)
世は多数決時代ッッッ!俗人どもは先生だろうがなりふり構わず話の船を大海原へと掻き立てた!ありったけのーゆーめをー…げふんげふん…
「俺はな…」
「「「「ゴクリ…」」」」
「腋派だ」
「「「「へ?」」」」
次回「新たなる派閥参上!?作者は匂いフェチだ!?」デュ〇〇スタンバイ☆
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どうも赤井錐音です。
今回は男子校に焦点を当ててますが、完全に偏見です。本当に偏見です。
チーム内の女性陣と会話してた時に出てきた世界観をそのまま使ってるので申し訳ないです。
最後に一言だけ書いて逃げ道を…
※この作品はフィクションです。実在の人物団体・事件などには、一切関係ありません。
超ド偏見な男子校の愉快な日常。 赤井錐音 @detsuterau
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