day:5 イオス島:王国立大学前通り
⭐︎後編ここまでのお話⭐︎
雪山の冒険を経て、無事に近衛騎士団に入団したヒースは、兄である大公ジェイドの婚約式のため、故郷ローズデイル大公国に里帰りをすることになった。
兄の婚約を祝う宴の夜、ヒースとジェイドは毒を飲まされ意識を失う。朦朧とした意識の中、ヒースは毒を仕込んだのが義姉となるはずだったリリティナだということを知るが、身体の自由を奪われ抵抗することができず、兄の毒殺を図りリリティナを寝取ろうとした罪を被せられてしまった。
その後の調査により、ヒースの無実が証明されたが、一度広がった不名誉なゴシップは仲がよかったクレンネル兄弟の心を引き裂いた。兄が弟の自分より、裏切ったリリティナを庇ったことにショックを受けたヒースは、兄への不信感を胸にシュセイルへと戻ったのだった。
一方、ヒースがローズデイルで勾留されていた頃、シュセイルでは長い白髪に琥珀色の瞳、花嫁衣装のような真っ白なドレスを着た、“雪女”と呼ばれる女怪が、金髪の若く美しい男を氷漬けにするという事件が頻発していた。
従兄弟のアルファルドが雪女に遭遇して氷漬けになったのをきっかけに、ヒースも同僚のディーンとともに雪女事件の捜査に乗り出すが、捜査の課程で雪山で別れたはずの白竜シルフィが、首都近辺に来ていることが発覚。雪女と同じく氷魔法を操る白竜に容疑がかかっていた。
ヒースとディーンは、他の騎士団より先にシルフィの保護に成功したが、同時に雪女と遭遇してしまう。雪女の顔を見たディーンは、その顔が大公の元婚約者リリティナに似ていることに気付く。雪女が金髪の美男を探していたのは、ヒースを探していたのだと知ったディーンは、ヒースを逃がそうと試みるが、ヒースは白竜シルフィとともに囮となることを選んだ。
浮島を恐怖に陥れた雪女の正体は、氷魔法を得意とする白大蛇だった。
白大蛇の夫に選ばれ執着されたヒースは、シルフィの翼を借りながらイオス島とシス島の間にかかる天空大橋に誘き出し、ディーン、フィリアスをはじめとするシュセイル騎士団の力を借りて撃退に成功。しかし、白大蛇は地上に落ちて生死不明となった。
第一騎士団が白大蛇を捜索する間、ヒースとディーンはリリティナの正体を解き明かすため、大公ジェイドが滞在するオールドローズ館へと向かった。ジェイドの口から大公家兄弟毒殺未遂事件と不貞事件の裏側が明らかになり、リリティナは白大蛇の毒によって仮死状態になり操られていたことが判明するが、白大蛇の狡猾さを知る結果となった。
その夜、地上で白大蛇の遺骸が見つかったとの報告を受けて、事件は終わったかに思えたが……。
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