幕間

人物紹介・データ集(前編)

◆人物


【ヒース】

本名:クリスティアル・ヒース・クレンネル

出身:ローズデイル大公国 光の聖地ベルローザ

称号等:準騎士、大公の弟

金髪に青い瞳の、絵に描いた王子様のような見た目の絶世の美男子。生まれつき魔法が使えないことにコンプレックスを抱いている。他人の心の痛みに敏感な優しい性格。魔性のものや蛇に異様に好かれる。蛇が嫌い。

メイン属性⇒(光・火)

サブ属性⇒(光)

※魔法は使えない。



【ディーン】

本名:ディーン・エリア・アスタール=シュセイア

出身:シュセイル王国 首都エア島

称号等:準騎士、シュセイル王国第二王子、アスタール侯爵

ヒースの幼馴染で親友。シュセイル国王アレクシウスと竜騎士ベアトリクス卿の子。銀髪、空色の瞳、褐色の肌に強い風の魔力と有翼人の特徴を濃く受け継いだ王子。竜騎士だった母に憧れ、竜騎士を目指している。

メイン属性⇒風

サブ属性⇒風



【アルファルド】

本名:アルファルド・ルシオン・セシル

出身:シュセイル王国 神話の森オクシタニア

称号等:準騎士、森の王様(領内や友人の内で)

ヒースの母方の従兄弟。シュセイル王国東端のオクシタニアの領主セシル伯爵の四男。魔狼という大きな狼の魔物を使い魔にしている。現在は恋人のセリアルカと一緒にイオス島で暮らしている。人間嫌いで恋人以外には興味が無い。植物が生える場所では強いが、地に足が着いていないと落ち着かない。今回の旅で飛竜が苦手に……。

メイン属性⇒樹

サブ属性⇒風

使い魔⇒魔狼五匹



【ライル】

本名:ライル・ヴィンセント・ヴァルガス

出身:シュセイル王国 辺境の地エルナム

称号等:準騎士、辺境伯子息

魔族の父と、人間の母の間に生まれた子。魔力を操作すると、紅く輝くピンク色の瞳をしている。(本人は紫色と言い張っている)成人を機に、魔族ではなく人間として生きることを選んだが、魔族としての性質は未だ完全に抜け切れていない。闇に好かれるヒースを警戒しつつも心配している。ディーンとは学生時代からのライバル関係で、寄れば喧嘩する仲。周囲には喧嘩するほど仲が良いと思われている。

メイン属性⇒雷

サブ属性⇒風、(闇)



【フィリアス】

本名:フィリアス・アーレント・マティス=シュセイア

出身:シュセイル王国 首都エア島

称号等:近衛騎士団所属正騎士、廃嫡された第一王子、マティス侯爵

ディーンの同い歳の異母兄。文武両道の成績優秀者だったため、同級生より一年早く正騎士になった。ディーンに輪をかけた真面目で頑固な堅物。志を同じくするディーンを王太子に推挙しているが、ディーンはフィリアスこそ次の王に相応しいと思っている。ディーンと家族を守るため、王妃(第三王子派)と日夜激しい権力争いを繰り広げている。

メイン属性⇒火

サブ属性⇒風



[ベアトリクス・アスタール]

故人。ディーンの母親。前アスタール侯爵にしてアレクシウス王の側妃。元近衛騎士団所属の竜騎士。パートナーは青竜アズラエル。ディーンが十五歳の時に、王妃イヴリーン派に謀殺された。ヒースの双剣術の師匠だった。


[ザファ・レヴォー]

アスタール侯爵家家令。ノーザス子爵。ベアトリクスの代から仕え、長年アスタール侯爵家私設騎士団の団長を務めた。現在はディーンの補佐のために騎士は引退している。ディーンが帰ってきた際は剣の稽古に付き合うなど、一時は父親代わりだった。


[アレクシウス]

第二十三代シュセイル王国国王。ディーンとフィリアスの父親。ガサツで豪快な性格だが、一度剣を握れば今代の戦神が降臨する。


[大公]

ヒースの兄。ジェイド・サーシス・クレンネル大公。歳の離れた問題児の弟に何かと振り回されている。若くして金融業で大成した大富豪だが、最近はヒースの請求書の夢を見て魘されているとか。悲運の人。



◆用語


□シュセイル王国

世界の最北にある王国。雪と森に覆われた地上と浮遊する群島から成る国。大小百を越える空の群島の中で、人が住んでいるのはエア、イオス、シス、ガレアの四島。


*エア島……王宮、議事堂、貴族の邸宅

*イオス島……学者の街。大学、博物館、美術館、図書館、病院

*シス島……商人と職人の街。銀行、市場、工房、地上との連絡通路

*ガレア島……騎士の街。騎士団本部、修練場、闘技場、飛竜訓練場兼発着場

*その他小さな島々……王家の墓所、飛竜の休憩場、農地。


浮島は元々有翼人シュス族が住まう土地だったため、建国以前からシュス族の土地シュセイルと呼ばれていた。王家であるシュセイア(シュスの戦士)家はシュス族の特徴である、銀髪と褐色の肌を受け継いでいる。

建国者エリオスが戦神の御印を所持していたことから、戦神を信仰している。

※御印の存在・能力についての詳細は本作『雪花に誓う騎士道』では割愛しています。



□シュセイル騎士団

王族を警護する近衛騎士団、各都市に駐屯し治安維持に務める第一から第五十八騎士団、南西のアルディール国境付近で常に魔物の脅威と戦う辺境騎士団が存在する。

近衛騎士団と、第一から第五騎士団は首都四島のひとつ、ガレア島に本部を有するエリートとされている。



□竜/ドラゴン

竜族は大きく分けて飛竜種、地竜種、水竜種の三つに分類され、更に大型、中型、小型に分類される。シュセイル王国には、人類史以前から多数の飛竜種が生息している。その姿形は鱗や甲殻に覆われたものもあれば、獣のように被毛を纏うものや、鳥のような翼を持つ竜もいる。

本作で登場したような大型の竜は、人間と同等以上の知能があり、気まぐれに人間の言葉を覚えて、人間と交流する個体も存在する。竜の長い一生を無為に過ごさぬために、気に入った物や人を宝物を定めて守護する性質がある。大抵は金銀宝石といったものを宝物に選ぶが、稀に人に惚れ込み人を宝物と定める竜がいる。


★竜騎士……主に人間側から請い願い、竜と絆を結ぶ。背中に騎乗することを許された騎士のこと。戦友のような対等な存在だが、双方合意の上、主従契約を結ぶこともある。

★宝物……竜に愛されたもののこと。愛情と庇護の対象。大抵は金銀宝石といった朽ちることの無い財宝を選ぶが、稀に人を宝物と定める竜がいる。対象が人の場合は、その人が受け入れなければ成立しないので、多くの場合は、竜騎士の絆や主従契約を結んで自分の能力を充分にアピールしてから段階的に宝物とする。


*銀竜……額に一本の角を持った大型飛竜種。属性は雷・風・氷。同種族雌の白竜と共に雪山に生息する。気性は穏やかだが、一度群れに仇なせば荒れ狂う自然の猛威となって襲い掛かる。銀の甲殻が鎧に、一本角が剣に見えることから、“白銀の騎士竜”の異名を持つ。シュセイルの国旗や、王家の紋章、近衛騎士団の紋章にもなったシュセイルキッズの憧れの竜。

危険度:★★★★★+


*白竜……額に一本の角を持った大型飛竜種。属性は風・氷。“雪山の貴婦人”の異名を持つ、真っ白で優美な姿の雌竜。飛竜種最速の翼と美しい姿の代償に、竜としては非力。角は半透明で、磨くとオパールのような虹色の輝きを放つ。角と鱗の美しさから乱獲され、現在は絶滅危惧種として保護の対象になっている。

危険度:★★


*青竜……頭に四本の角を持った瑠璃色の大型飛竜種。属性は水と氷。シュセイル北西の水辺に多く生息する。青竜は飛竜種と水竜種が存在するが、どちらも元は同じ種だったと考えられている。青竜というのはあくまで人間が付けた分類である。

危険度:★★★


*灰竜……眉間から後頭部に二列に並んだ八本角の小型飛竜種。属性は風。騎士団御用達の気軽な移動手段。鋭い鉤爪の二本脚で、獲物を捕らえる。

危険度:★


*緑草竜……羊のような丸まった大きな二本の角と、短い四本の角の計六本角の小型地竜種。属性は風。羊や牛などと一緒に家畜として放牧されている。シュセイルの厳冬にも耐える寒さに強い竜。夏は緑色、冬は灰色に鱗の色が変わる。食べられないこともないが肉質が硬くて美味しくないので、主に力仕事のために育てられている。

危険度:☆



□クレンネル大公家

青の山脈の東、旧クレアノール王国領ローズデイルを治める大公一族。クレンネルはシュセイル語表記で、古くはクレアノールと書く。クレアノール王家の末裔とされている。

大公家の成立には、現在も疑義を唱えるものが多い。シュセイルの貴族の中には、建国の英雄エリオスを欺き、領土を掠めとった詐欺師の一族と蔑む者が未だ多数存在する。(金融業で大成して世界一の大富豪となった現大公に対する嫉みもある)

大公家では白薔薇の御印を持った子が生まれるが、その子供は生まれつき魔法が使えないという過酷な試練が課せられている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る