第2話 漂流民の巻

尾張の岩松、久吉、音吉と土佐の万次郎。

 尾張の三人の漂流民、岩松、久吉、音吉の協力で完成した現存する最古の和訳聖書『ギュツラフ訳聖書』が聖書館7階の聖書図書館に展示されていた。

 非常に残念なことにこの聖書図書館つい最近閉館してしまった。(近い将来少し形を変え再オ-プンするとのこと)

 本書を執筆するにあたり、二本の映画を中心に話を進めていきたい。

 最初の映画は三浦綾子の原作に基づいた1983(昭和58)年公開の『海嶺(かいれい)』。

 1832(天保3)年10月米を満載した豊順丸が江戸へ向け出航したが、遠州灘で難破、漂流した。14ヶ月後アメリカ西海岸カナダ国境近くに漂着した時には14人いた男達が3人だけになっていた。

 この事件は土佐の万次郎達の遭難の約8年前の出来事。

 最近興味深い出来事があった。

 2011年3月11日に発生した東日本大震災の時、コンテナごと津波で流された宮城ナンバ-を付けたアメリカ製大型バイク「ハ-レ-・ダビッドソン」三人が漂着した場所からそれ程遠くないカナダの海岸に漂着しているのが見つかったと言うニュース。このバイクの所有者が判明したのが震災のほぼ14ヶ月後のことであった。このニュ-スはインタ-ネットで観ることができる。「東日本大震災」「ハ-レ-・ダビッドソン」で検索してご覧になることをお勧めする。


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