手紙
お父さんは黙り込む
「ごめんな。力になれなくて、でも、お父さんがなんとかするからな」
そう言ってお父さんは出ていく。
なんでこんなこと言ったんだろう。
この時、私がお父さんに酷いこと言わなければお父さんはまだいてくれたのに。
何時間たっても帰ってこない。
しばらくして電話がなる
「田中さんのお家ですか?」電話
「はい。田中さんがトラックに巻き込まれ意識不明の重体です。加藤病院にすぐに来て下さい」
妹とタクシーで病院に行くと
お父さんが病院のベッドに横になってる。
ポケットの中に封筒が入ってました。そう言って看護師が渡す
封筒には、手紙が入ってました。
そこには、
ありさとあおいへ
この手紙を見て驚くと思いますが、書いてる私は血がつながった母親です。
あなたが13歳の時、家が貧しくて私はうつ病でした。
お父さんは借金が多くて自暴自棄になり家に火をつけました。
その時に田中さんが私とありさとあおいを助けてくれました。助けてくれた田中さんはタンスに下敷きになって片足が動けなくなりました。
お父さんは亡くなってしまい私はうつ病で病院に入院してたのでありさとあおいは児童養護施設に引き取られました。
それから田中さんは、あなたとあおいを里親として育ててくれましたが、私は退院して、経営者となりました。また、ありさとあおいと暮らしたいと思っています。
もちろん、田中さんには感謝しています。お父さんが目の前で亡くなり傷ついたありさは記憶喪失になってそのことを覚えてないにも関わらず二人を育ててくれたからです。
この手紙を読んだら連絡して下さい。
大好きなありさとあおいと暮らせる日を楽しみにしています。
ママより
こんなことがあったなんて知らなかった。
「血がつながってなくてもお父さん、は私の大好きなお父さんだよ。私のせいで、ごめんなさい。」
大泣きするありさ
「お父さん起きてよ。」妹も泣く
看護婦さんが来て面会時間がすぎたのでまた明日の朝に来て下さい。
それからタクシーに乗り家に帰る
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