コッソリと守護する者
第17話 密かに守るの、マジ大変
「これ、素材を街に持ってけないよね」
流石の私も、それが拙い事位はわかる。
森をナワバリとしたグレートボア。
グレートボアは鼻から血を噴き出すと、ズズーンって倒れたんだ。
素材。肉は美味で、お肉屋さんに持って行くと高額取引出来ると思うし、牙や爪、皮も武器加工素材として人気の品だ。血抜きや
でも、コレ、素材として持って行くと、どうやって私が倒したか?って話になる。
グレートボアはランクBの魔物。
となると、ランクBの冒険者パーティじゃないと倒せない相手だ。私は冒険者だけど、ランクFの幼女に過ぎない。
実ランクは無茶苦茶高いけど…。
コロ達が魔物を倒すと、経験値が入る。
勿論、従魔の方が割合として高いけど、コロ達4聖神獣はランクSSだ。格下過ぎて1しか入らない。でも私にとっては高ランクの遥かに格上の相手。だから破格の経験値が入ってしまう。
結果、今の私はランクC相当だ。
確かに腕力筋力敏捷性は、そこらの幼女と変わりはない。でも知力魔力生命力は並の大人より高い。
聖獣使いに必要なのは知力魔力。
この高さによって従魔との感覚共有が大きくなっていく。今の私は、かなり広い範囲でコロ達の感覚共有できる。離れていても繋がってる。
今迄は素材も、ランクEのアタックドッグやFのホーンラビット、動物の野鼠等だったので、親が倒してお使いで素材持ち込みをしていたんだと街中が納得していた。
でも流石にランクBともなると、それなりの名の知れた冒険者が、って話になる。
私が、誰のお使いをしているのか?
そんなもん、根掘り葉掘り聞かれた日にゃ、面倒くさくってしょうがない。
ま、いつか売りに行ける日も来るだろ。
とりあえず肉は美味しく戴くとして…。
ガォオオーン『アイラ、解体終わったぜ』
ピィー『今夜はご馳走だ』
クヮアー『楽しみだねー』
私達はウキウキ気分で帰ったんだ。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
冒険者ギルド。
ギルマスである
動きはないか。街に近付く気配はないか。
町長のハッキネンとも色々確認してはいるが、ランクBともなると領都のギルドとも連携して高ランク冒険者を募るしかないと思っていた。
だが…。
「グレートボアがいなくなった?」
「姿が見えなくなりました。立ち去ったのかもしれない。そう思って、確認作業を色々したのですが…、その、実は斃されたと思わざるを得ない状況でして」
「斃された?誰に?何故そう思う?」
グレートボアを見失った。
街から離れてくれれば重畳。そう思って確認を急いだのだが。
「森の奥に格闘の跡、それに解体作業をしたらしき痕跡を発見しました」
解体作業…。
でも、誰も素材を売りに来てはいないし…。
まるで
その謎は数日後に解けた。
シャトナー伯の領都エルトプライムバーグのギルドに、グレートボアの素材をお使いで持ち込んだ幼女がいたらしい。
銀髪にライトグリーンの瞳の美少女。
あの娘だ…。
確かに、彼女は『聖獣使い』だろうという話だった。いや、推測でしかないのだが…。
4聖神獣ならばランクBの魔物も赤子同然だ。
私は、詳しく確認を取るため、領都のギルドマスター・ローンディルに連絡を取った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます