第5話 ギルドに拉致されちゃったよ
地図の上では近い街。
でも、行くためには森を抜けて、怖い吊橋を渡り、軽く山って言える程の丘を越えてかないとたどり着かない。
勿論、幼女の脚ではムーリー!
だから私は、コロに送ってもらう。
私を乗せてもコロは、まるで飛ぶ様な速さで駆け抜けていく。
吊橋は幅が狭くてコロにはムリだけど、そもそも地割れをコロは苦にしていない。
一っ飛びなの。
で、私のポシェットにいるキィちゃんの加護のお陰で着地の衝撃も全く無い。
前回、全く問題なかった素材の換金とお買物。
なので、私は何も考えず、あれから1週間経った今日、再び換金しに街へ行く事にした。
私の存在は、貴族の
街の入り口の遥か手前。
私はコロと別れる。
そのままの姿では、4聖神獣の
てくてく。街の門まで行く。
「こんにちは」
門番さんと笑顔で挨拶。
あれ?門番さん、ハッとしてる?
何かあったのかな?
「また買い物かい?」
「うん」
私は幼女。私は幼女。私は幼女。
そのまま素通り。こないだと同じで、まずはギルドへ直行。
…何か門番さんの態度が気になって、さりげなく止まって後ろを気にしてみる。
何か話してる。
あ、誰かが走ってく。私を追い抜いてギルドの方へ。
まさか、私がギルドへ向かってるって伝えにいった?
「カナ、様子見れる?」
ピィー『任せて』
肩から飛び立つカナ。
「キィちゃん、どう思う?」
クヮアー『アイラのやな予感、当たってるかも』
「つまり、追放してのたれ死んだと思われてた子供が、この街に来てるかもって。その、サイモンって貴族の家と何かやり取りあったのかな」
クヮアー『そこまではどうだろう。でもアイラが何か不自然だったんだろうね』
パタパタパタ。
カナが帰ってきた。
ピィー『さっきの人、ギルドへ入っていった』
「私の事、知らせにいった?」
ピィー『そう思う』
「むう。私、何やったのかな?」
クヮアー『悪い事はしてないと思う。それに、敵意も悪意も感じない』
ピィー『それ、アタシもそう思った』
カナとキィちゃんの直感を信じよう。
今、私はこの街、って言うかギルド?にマークされてる。でも何か危害を加えられるという事は無さそう。
って事でいいんだよね?
クヮアー『どのみち僕の加護があるから、アイラに危害を加えるなんて不可能だけどね』
ある意味安心。
でも、ある意味、問題が拗れそうだわ。
のんびりキャンプ気分でロビンソンクルーソー。そんな異世界生活を考えていたんだけど…。
「換金は止めて、一旦帰る?」
クヮアー『難しいよ。気配と姿を消す事は出来る。その魔法はあるから。でも、逃げ隠れしてる訳だから、悪意は無くても多分門の犯罪者確認晶石が反応するかもしれないよ』
「それはまずいわ。言い訳出来ないし、するだけヤバさが増すばかりだもん」
考え込んでたからか。
目の前の男性に気付くのが遅れた。
「お嬢ちゃん、確か、アイラちゃんだったよね」
こないだ、ギルドや市場を案内してくれた門番さん?え~と、名前、誰だったっけ?
「ギルドでね。アイラちゃんとお話したい事があるんだって。その、オジサンと来てくれるかな」
ちょ?後ろにも兵隊さん?
私は、ギルドに拉致されてしまいました。
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