フリッパーズギター文脈とナゴムレコード その5
そういえば、80年代の日本のインディーズシーンにガスタンクというバンドがいました。
フールズメイトなどの音楽雑誌ではちょいちょい見かけてました。
ボーカルのBAKIは、ゴシック系とはちょっと違う感じの顔面白塗りでした。
ハードコアパンクかな? とわたしはてっきり思ってました。でも長髪だからメタル?
ある日、ラジオでたまたまガスタンクの曲が流れることを知り、どんな過激な曲が飛び出すのかとワクワクしてましたら、意外なことに流れきたのは全然ハードコアじゃない……アニメソングみたいで、ものすごくギャップを感じて、腹筋が崩壊しそうになったという思い出があります(失礼。いやアニメファンに失礼という意味です)
『ジェロニモ』という曲でした。
それから、ネットの時代になり、YouTubeで聴き直してみました。
パンクなのかよくわかりませんが、かなりマカロニウエスタン調の曲です。
BAKIまでモノクローム・セットの影響? と一瞬思いましたけど、パンクバンドやってる感じの人が聴くとは思えないので、やはりモノホンのエンニオ・モリコーネの音楽を参考にしたのでしょう。
その『ジェロニモ』は、大槻ケンヂがカバーしてます。
筋肉少女帯のほうではなく、別ユニットの特撮のほうです。
いや『ジェロニモ』は、80年代のボンクラたちに勇気を与えた名曲なのかもしれません。
ブルーハーツの『リンダリンダ』が90年代のボンクラに勇気を与えた名曲ならば、その80年代版に当たるのが『ジェロニモ』のような気がします。
(『リンダリンダ』はそも80年代の曲ですが、90年代を象徴する感があるように思います)
ナゴムレコードの意外なところは、あとプログレをやってたバンドまで在籍してたことでしょうか。
……って、筋肉少女帯じたいプログレ要素あるので、意外でもない?
筋肉少女帯の別ユニットの空手バカボンでも、バカボンと戦慄とか、明らかにふざけて笑いをとる方向ですけど。
不覚にも笑ったりしてましたが。
『高木ブー伝説』という曲を勝手にやって、当の高木ブーさんはそれでも暖かく許してもらえたという逸話がわりと有名ですが、それよりYMOのインスト曲の『ライディーン』を勝手に小馬鹿にしたような歌詞を付けて、ナゴムからリリースするという暴挙を働きましたが、それも高橋幸宏は暖かく許してくれたという……てか、なかなか恐ろしい話です(ご存知のかたも多いでしょうけど)
80年代インディーズ、無法地帯です。
東京ロッカーズの時代のほうがもっと怖かったという話は聞きますが。
筋肉少女帯、他にもインストの曲に勝手に歌詞付けて歌ってたのあったような……思い出した。めちゃくちゃ有名なバート・バカラックのだった。てか、それインディーズじゃないけど大丈夫なのだろうか……。パブリックドメインの曲かな。
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