箸休めエッセイ 1 白人のイケメン
難波のタワレコの前を通りかかると、誰かと待ち合わせでもしていたのだろうか。
そこで立ち尽くしていた白人男性が唐突に声をかけてきた。
20代半ばくらいだろうか。清潔感があり、割とイケメンだった。
なんだろうと思いつつ、やりとりするものの英語は通じない。どこのお国の言語かわからなかった。
言葉が通じないので、身振り手振りでジェスチャーしてくるイケメン。
どうやら、わたしの持ってるタバコを1本おくれと言いたいらしい。
イケメンにタバコを差し出した。
わたしの吸ってたのは、メビウスのオプションパープルの1ミリ。メンソール。
そんな軽くてメンソールでもいいのかな、と思いつつも、イケメンは1本受け取った。
すると、今度は自分の吸ってたタバコを1本、わたしにくれた。
タバコをくれと言ってるのではなかった。
タバコを1本トレードしようと言いたかったようだ。日本のタバコを吸ってみたかったとか?
交渉成立すると、イケメンは満足げにニコっと笑みを浮かべ、拳を差し出してきた。
わたしは、イケメンとグータッチをし、その場を立ち去った。
〈完〉
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます