セクシャルマイノリティについて その5 完結編

 ひとつくらいネタにしておこう。


 休日のある日、私は独りミナミのアメリカ村に買い物に行っていた。


 すると、本当に偶然なのだが、自らをミダラ姫などと言う厨二な名を名乗ってた子(当時19歳)と路上でエンカウントした。


 痴女ミダラがあらわれた!

(アミダラ姫ではない。ネタのようだが本当にミダラ姫でその子の名刺は、まだ部屋のどこかにある。カタカナ表記じゃないけど)

 取り敢えず、女神転生シリーズやペルソナシリーズのように、交渉した。合体材料にすらなりそうにないが。


 すると、ミダラは路上で男に声を掛けて、風俗的なことを野外でしてたらしく、やり逃げされてしまったらしい。

 それで、その男を追っかけたところだったと言う…………。


 やり逃げした男を追っかけて、ノーパンで駆けてゆく、愉快なミダラさん〜♪

 なんて歌がふと思い浮かんだ。


 しかたないので、暫くは2人で追っかけたが、やり逃げ男の逃げ足は早く、見失ってしまった。

 

「ちょっと荷物持ってて」

 と言われ、持たされると、ミダラは建物の陰でコソっと、パンツを履き始めた。

 その時、ずっとノーパンだったミダラのプリケツがチラリと見えて少しエロかった。

 エロ可愛い尻だった。


 どんな行為をしていたのか詳しいことは聴いてない。何故ノーパンだったのかも謎のままだ。


 まぁ、逃げた男も罪は重いが、慣れないことをするからだろう。

(それで懲りて欲しかった……)

 まだ学生だし、そんなにお金に困ってる子でもなかったのだが、やはりミダラもメンヘリエルだった。


 

 ……信じられない光景を私も見てきた。  


 オリオン座の近くで燃える宇宙戦艦。

 タンホイザー・ゲートの近くで暗闇に瞬くCビーム。

 そんな思い出も時間と共にやがて消える。

 雨の中の涙のように……。


 私はまだ死ぬ時ではねえ! 映画『ブレードランナー』から引用してみた。



 ……とネタにはなるけど、こっちも暇じゃないし、もう流石に勘弁して欲しい。


 私はもういい歳なので、自分がセクシャルマイノリティであるということを、昔ほどは悩まなくなってきた。というか楽しんでる節すらある。

 そんな私より、夜職の子たちの方が余程生き辛さを抱えてそうだ。



 私の場合、生き辛さで言えば、自分の趣味嗜好の方が問題になりそうだ。 

 全くこの社会においてろくに需要のない、マイノリティ中のマイノリティなもの愛でてしまうところがある。

 

 ゴシックなもののことや、人形作家の個展に足繁く通うと書いたところなどで、何気にお気付きになられた方も居るかもしれない。

 

 月刊漫画ガロなどのマンガや、ノイズバンドと云ったエクスペリメンタル・ミュージックの類いなどがどうにも好きで……。

(一方でオタ趣味もあるのだが、そっちはそんなに話相手に困らない)


 そういうのは一時期の拗らせ、厨二であって直ぐに終わるかと思えば、私の場合一生ものとなってしまった。

 もう一種の病気と言っても過言ではないだろう。

 

 なかなかそういったものを好む同好の士は居ないばかりか、小説やマンガを描く上でも大問題となるだろう。


 これまで散々、ガロに持ち込みすべきかと悩んできたし、その文脈にある、青林工藝舎のマンガ誌アックスにも持ち込みすべきなのかと。

 そっち系の作家さんの同人誌には誘われて描いたこともあるので、もはや片足……いや足の親指くらいは突っ込んでしまっているのだが。


 ご存知の方もいらっしゃると思うが、ガロもアックスも原稿料が出ないのである……。


 私は本当に何処に行っても、やれ異分子だ異端だのと言われ続けて来て、そう言った意味では、本当にこの社会に居場所がない。



 小説でもマンガでも、どうにか読まれるものを書くための戦略として、ユーチューバーの好事家ジュネさんという方のチャンネルは、私にとって比較的勉強になりそうだ。


 でもやはりジュネさんのチャンネルでは『ライチ☆光クラブ』を紹介した動画ばかりが再生回数が多い印象がある。

 ……難しいものである。いや『ライチ〜』が人気あること自体は喜しく思ってる。

 ただ、古屋兎丸さん、ガロ出身だし、他のガロ作家さんのものも読もうよ! と言いたいし『ライチ〜』に相応しい音楽は、やはりエクスペリメンタル・ミュージックだろう。


『ライチ〜』が生まれた時代の80年代のインダストリアル・ミュージックも聴こうよ。とも言いたい。

 

 

 〈おわり〉 

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