セクシャルマイノリティについて その4 ネタっぽくなってくる

 ゴスロリが出て来た当時、割と難儀したのが外出時のトイレ問題だ。

 出先でトイレに入ると……。


「ここは男性用です!」 


 と、怒られたことが何度かある。二度見も多かった。

 そう言われても……まさか女性トイレに入るわけにいかんだろ!

 間際らしいカッコをしてる私が悪いんだけども。


 性別を聞かれると、昔から即答出来なかったり、『男・女』の記入欄には、『・』のところにチェックを入れようとしてしまうのもXジェンダーあるあるかもしれない。


 私は子どもの頃から痩せてて、体操習ってたり部活も運動系だった割に、どうもさっぱり肌が日に焼けなかった。

 生まれつき身体全体のトーンが薄い。

 髪はだいたい長めだった。


 残念ながら身長は高くも低くもなく174あり、ロリータ系のレディースのブラウスは肩が引っかかるし、袖の長さも足りなかった。


 ゴスロリ系にはメンズがあってもワンサイズしかない。

 私の体格でギリギリのものもあった。

 ジャンポール・ゴルチエのレディースはよく着ていた。


 メンズのワイドパンツでもロングスカート履いてるように見えるし、ユニセックスのスカートなんかもよく履いていた。

 厳密には女装してるかどうかというところだが、男女の区別はつき難くなるかと思う。

 メンズでも、背中が大きく露出したワンピースなんかもある。


 変わったものでは、1点もののウエストコルセットなんかも持っていた(いちおボーンが入っているので、ファッションとは言え拷問具のように苦しい。レザーなので、皮のよろいのように守備力は上がる)


 それで厚底靴をよく履いていた。

 ヴィヴィアン・ウエストウッドのロッキンホースという靴なら、身長に7・5センチプラスされる。

 ……トイレで私に注意した人はデカい女が現れ、さぞギョっとしたことだろう。


 厚底靴は相当転びまくったと言うのもネタかな。


 スーパーモデルのナオミ・キャンベルはヴィヴィアンの靴でずっこけたという有名な逸話がある。

 その時履いてたのは、ハイヒールだがエベレーテッド・ギリーという靴だったそうだ。


 私が最も転びまくったのは、ロッキンホース・ギリーという靴だ。

 全く機能性が考えられていない(慣れるとそれで走れるまでになったが w)


 階段から転げ落ちたこもあるし、受け身が取れない状態で転んで、大腿骨の付け根辺りにひびが入ったこともあった(何とか自力でケータイで救急車呼びました)


 逆に、自転車に3人乗りしてたJK!が坂を下って来たおり、運転してる子が、私のカッコに見とれてなのか(ずっと私に視線を向けたままだった)、それはもうマンガのように派手に転倒したなんてこともあった。


 助け起こすと、大した怪我はなくて良かったが。

 私もアンポンタンだけど、JKもなかなかアンポンタンだ。


 その時は、ホストしてる時に着ていたチャラ男スーツだったと思う。ただ髪は真っ赤っかだった。

 念のため書いておくが、私は初期アバターののようなフツメンだ。決してイケメンではない。化粧で多少は化けられる程度。



 高校の頃、痴漢に遭ったことがある。

 少し混んでいた電車内で、気がつくと尻を触るヤツがいた。

 触手を繰り出していたのは、サラリーマン風のスーツを着たおじさんだった。 


 そのおじさん、謎なのだがゲイじゃなかったと考えると……ちょっと可哀想ではなかろうか。

 JKのお尻を触ると大変なことになるから、私で妥協したとか?


 当時、水泳の授業の度、スポーツ刈りのような角刈りのような頭の、ゴツい男の教師がニタニタと不気味な笑みを浮かべながら、私の尻を触って来たものだ。


 その教師は、如何にもハードゲイものに登場してそうな佇まいであったので、ゲイだったんじゃないかと思う。

 体育界系のスキンシップとも思ったが、私しか触られてなかった。

(多感な頃だったので、勿論、嫌でしょうがなかったが、思い出すとジワる)


 


 やがて女性の友だちにGIDだと話せるようになると、「実は同性と付き合ったことあるよ」なんて、言った人は今まで2人居た。

 潜在的にはもっと居るのかもしれない。


も懐かしい」

 なんて、そのうちの1人が笑いながら話していた。不意打ちの生々しい下ネタであった。


 少し余談になるが、更に、知り合った女性にホストやってるとか、以前ホストやってたと話すと、もっとヤバい世界を知ることになったりもした。


「実は私、風俗で働いてて……」

 そんなことを明かされることが何度か。


 そういう子は金銭感覚がバグってるだけじゃなく、距離感もおかしかったりする。

 秘密を共有するから、距離感は縮まるのだが、友だち以上恋人未満というやつでもない。


 彼氏が居たとしても、とても彼氏には言えそうにもない類いのぶっちゃけ話の相手をさせられる。


 どうも私は男として見られてないような……。

 都合の良い便利屋のような扱いばかりだ。


 Xジェンダー、ゴスロリ、水商売歴のダークトライアングルな変人には何でもかんでも話しやすいらしい。 


 ……つくづく色んな子がいた。


 唯一、ソープ嬢くらいじゃないだろうか。知り合ったことがないのは。


 ヘルス嬢からSMクラブのS嬢、M嬢、なんちゃら新地やら、AVに出た子まで……。

 援交やパパ活の類いも多かった。 

(もっとも、ワケアリ物件家出少女とか極度にヤバい子はスルーする。私の経験では風俗嬢の半数以上はメンヘラちゃんだと思うが、だいたいは明るく、愛嬌のある子たちだ)

 

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