表現者のキャラ作りは武器になる(創作メモ)
デビュー時から、すげえ! とんでもない才能だと思ってるマンガ家に大山海くんという作家がおり、町田康に続いて、同じく芥川賞作家の又吉直樹まで評価していた。自身のYouTubeチャンネルで取り上げてたのに気が付いた。
それを機に、大山海くんにについて書こうと思ったのだけれど、長くなりそうなので、またの機会にしておく。
創作するにあたっての点で、つくづく昔から悩んできたことなのだが、私の場合、これといった武器というか、トレードマークのようなものがねえなぁと思っていて、そのことを書いみたい。
ひとつ大きな特徴のある作家って、もの凄い強み、武器になるんじゃないかと昔から思い続けてきた。
人様に覚えてもらうとっかかりになりそうなものだ。小説でいうところのキャッチのようなもの。そういうのは表現者なら、あった方が良いと思うのだ。
ぱっと思いつくまま、例を挙げてみよう。
・取り敢えず、又吉直樹なら→ 太宰にかぶれてる。そういうキャラ作りは分かりやすいし、何か好感も持てる。
・みうらじゅん→ 仏像が好きとか、趣味の幅がやたらと広いが(しかもどれも深い)、ボブ・ディランにかぶれ続けてきた。
エロスクラップが完全にライフワークとかも凄い。私も真似してみたが、三日坊主になった思い出……。
・あんまり良く知らんけど、武田鉄矢→ 龍馬にかぶれてる。個人的には大長編ドラえもんに詩を書くのはやめて欲しかった。
・杉作J太郎→ 綾波レイちゃん www
エヴァにクッソハマってたのがゲラゲラ笑えた。オタクじゃなさそうな人だから、ギャップでおかしかったのかな。月刊漫画ガロにそんなハマりっぷりのエッセイマンガも描いていた。
そこからオタク趣味が高じて、ラノベまで書いたというガロ作家は杉Jだけ!
・くりぃむしちゅー有田→ 基本、長州力が好きなのだが、週刊プロレスを創刊号から……延々と買い続けてるという狂気っぷりに脱帽。
・蛭子能収→ ギャンブル。いや、完全にマンガを描くことの情熱はもう90年代に入る頃には消滅しているので、論外か。
・久住昌之→ 『孤独のグルメ』の原作者です。
みうらじゅんと違い、ボブ・ディランよりはニール・ヤング派だとは何気にわかる。色々、芸達者だが(絵も描いてるけど、何故か原作ばかり)、食に関して割と語る人で、グルメマンガでデビューしてる経緯もあり『孤独のグルメ』で成功した。弟さんに描かせてるマンガも好きです。
・大槻ケンヂ→ プロレス通だが、それより三度の飯よりUFO関連が好き(UFOそのものじゃなくて、目撃したと言ってる人の話を聴くのが好きな感じ。それは何となく気持ちはわかる)
それで、精神科でドクターストップになったレベル。今は許可が出たんだっけ?
・あがた森魚→ 稲垣足穂にかぶれてる。しかし、『赤色エレジー』しかヒット曲がない。いや、あるだけ凄い。CMに使われた曲もある。映画制作に乗り出すも……。固定ファンは存在する。
もの凄く偏りがあるが、取り敢えず。
何かひとつ、分かりやすい特徴持ってる人って強いと思いませんか?
私は、常々それが欲しいと昔から思い続けてきました。
でも結局見つからなかった。
傾向としては、嶽本野ばらと被る点も多かったりもするけど、知識的には及ばない。
ヴィヴィアンウエストウッドのお洋服、ゴシック&ロリータ趣味。澁澤龍彥通ってる。
多少、好きなロックバンドなんかも共通している。あと、球体関節人形が好きだった気がするといったところなど。
その辺は参考にした方がいいのかも。
でも、私的には、どちらかというと大槻ケンヂの方を参考にしてるかな。ハヤカワのSFマガジンに小説が掲載された点や、マンガの好みの傾向や笑えるというところも大きくて。
本当に色々考えて来た。
ガンプラでもゾックだけをひたすら買い、作り続ける? いや、それただの発達障害だろ……。
ジャコウアゲハが好きっていうのは結構ユニークで、いけるかと思ったが、食草のウマノスズクサの栽培が難しく、苗を買っても枯らしてしまった。
進化論もSFとしてもオモロいと思ってるし、いきもの関連は何かしら持ってはいると思うのだが……。
以前、ある有名なマンガ家さんの手伝いに行った折り、「好きでしょ、描いて」と言われ、あるいきものを描いた。
すると、そのコマの画像がツイッターでバズってトレンド入りしていたなんてこともあった。だがそれは当然だが、私の力ではなく、そのマンガ家さんの才能だ。何のマンガだかは言えない……。
かぶれてるロックミュージシャンならどうか?
私の場合、ルイス・フューレイなのだが、誰も知らん上、フランスで活動してるので、フランス語が分からんと詳細が調べられない。
まだ、シャンソンだが、ジャック・ブレルにかぶれてると言った方が良いのかもしれないが、ボブ・ディランほどポピュラーさでは及ばず分かりにくいか……。
あきまへんわ。
ダメな例としては、吉本ばななの、原マスミ好きというのがある。
そもそも原マスミ知ってる人もそうそう居ないと思う。
知ってても、イラストレーターだと思われてそうだ。
ちゃんと原マスミの曲で好きなのがあるという人は少ない。
吉本ばななと言えば、本の装画は原マスミという印象があったのだが、全部は、原マスミにもなってないし。どうしたんだろう?
逆に原マスミの方にしてみれば、もの凄く助けられたというパターンか。
あと、ばななは藤子・F・不二雄作品好きなので、その辺、辻村深月と互角に戦えそうではある。
DDTプロレスで、その2人の試合やってはどうか。本屋プロレスをやったのなら、併せて文学プロレスもどうだろう。高木社長、ご一考を。
そういえば10年くらい前だろうか。メルツバウ(日本の代表的なノイズバンド)の全音源持ってるという人が居て、とんだ狂ったガチ勢もいたもんだなと仰天したが、やっぱりその人は、残念ながら頭おかしかった。もの凄くインテリジェンスだったのに勿体無い……。入院したと聞いてそれっきりになっている。
双極性障害と聞いたから割と重篤だろう。
以前、このエッセイで藤子・F・不二雄について書いたが、かなりガバガバで、お読みになられた方々なら、ガチ勢には程遠いというのがお判り頂けたかと。
F先生に関しては、とんでもないレベルのガチ勢が存在するので……。
更に私は、小学生の頃、大長編ドラえもんを観に行くも土壇場で『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』の方を観たという裏切り行為の前科があった。
コロコロコミックも買ってはいたのだが、ドラえもん14巻まで集めたのは覚えてるけど、その辺りから朝日ソノラマの月刊マンガ少年の方に浮気してしまったというこれまた裏切り行為をしでかす。
当時、『火の鳥』(異形編、生命編)が連載されてた雑誌だったのだが、子ども心に高橋葉介とますむらひろしのマンガにグッときてしまい、楽しみにするようになってしまった。
その雑誌では、F先生のSF短編が載ることもあって、ドラえもんより面白いやん! と思ってしまいました……。
中学に上がる頃には、F先生のマンガを殆ど処分もしてしまった。
30過ぎくらいになってから、何てことしてしまったんだ! と気がつき、お気に入りのものは再び集めたのだが(『バケルくん』1、2巻セットで7000円もしたよ! くっそー! 足下見やがって)全然マニアではない。
ただ、聴いて欲しい。
F先生の『みきおとミキオ』は小学生の頃、本屋に注文、取り寄せて貰うという発想がなく、本当にあちこち駆けずりまわって、苦労の末に買ったので、処分出来なかったし、『タイムパトロールぼん』と『モジャ公』は特にお気に入りだったので、処分していなかったのである!
私が当時買っていた『モジャ公』は朝日ソノラマのサンコミックス版だった。その前に虫プロ商事版があり、リアル世代ではないし(ドラえもんも厳密にはそうだが)、掲載誌までは流石に持ってないので、その辺ガチ勢には負けしまうが、愛する心は昔から一貫しており、そこは同じじゃないかと思うのだが。
ならば、それに対して何かしら、アクション起こさないとダメだろう。
全ページ模写するとかだろうか? 写経かよ! そんなことをしても、誰が面白がるというのだろうか……。トンチだ、何かトンチを効かせねば……。
でもF先生の中でも、特に情熱を注いで描かれたという割に売れなかったらしい『モジャ公』ってどうなんだろう。
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