第5話転機

私は修学旅行の帰りに女房の実家に寄る事になっていた。修学旅行中、里帰りをしていたのだった。しかし、私の記憶は新幹線で消えていた。

 気が付いたのは11月13日金曜日

ジェイソンは生きていた

 この日に記憶が戻ったのだった。

 私の記憶には真也を迎えに来た親父が飲酒をし、帰り道煙草をふかしたので真也が喘息気味だったので親父を咎めた。

 その後、時速100㌔近いスピードで電信柱に激突。私の左顔面は電柱の餌食となってしまったのだった。

 看護婦さんは毎日話しかけてくれていたが

「今日は13日の金曜日よ。」

 の問いかけにジェイソンは生きていたの13日の金曜日が昨日だから今日は14日の土曜日だと日にちを数えられるようになり記憶が徐々にできるようになった。

お袋以外は全員乗っていた車は一発廃車、女房は比較的軽傷で済んだらしかったが親父はこの事故で記憶を無くした。妹も恥骨を骨折し親父と同じ病院に運ばれたらしい。女房や妹の話しによると私は受け入れ先が無く救急車の無線でかなり探していたらしく救急医療センターに運ばれていたのっだった。

 ここは身内しか入れない病院で事故直後に担任が駆け付け無理やり入っていったそうだ。そのせいで私にはクラスメイトの数人が兄弟になって見舞いに来てくれていたそうだ。

 私は真也の声が聴きたく電話をした。

「真也は実家に預かってもらっているの。」

 電話口のお袋の言葉だった。この一言で総てを悟った。真也御免。

女房が自宅に居るのに真也だけが実家に居るのはおかしい?

 退院がまじかに迫った時にお袋が病室の前の廊下で主治医に話しているのが聞こえた。

「亡くなったと話して平気ですか?」

 ベット脇に来たお袋に

「解ってる。もう良い。」

そう言って真也に別れを告げた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る