第3話 敵が味方か
ピンポーン ピンポーン
「なんだこの音は?!襲撃か!?いや、それにしては、静かすぎる!どこだ!?どこにいる!?」
部屋の中を、グルグルと回りながら音のありかを探すドラゴン。
一方、外では一人の女性が少し苛立ったようにドアをノックしている。
「ねぇ、いないの?今日は、一緒に来てもらうからね!逃がさないわよ!」
身を低くして防御の姿勢でドアに近づくドラゴン。
ドンドンドン!!!
「何者だ!!名を名乗れ!」
近くにあった、テニスラケットを手に取り立ち上がるドラゴン。外からは、怒りに近い声が聞こえてくる。
「…いるなら、出てきなさいよ!!!」
驚きながらも、外の人物に怒鳴るドラゴン。
「何者だ貴様!誰に向かって言っている!?」
「誰って。この家に住んでいる誰にでも優しい保育士の矢辺りゅうに言ってんの!!!」
外の女性の言っていることへの理解ができないドラゴン。静まり返った部屋に、ドアのノック音と共に女性が話し出す。
「出てきなさいよ!今日こそは、デートしてもらうからね!この間の貸しを返してもらうから!」
扉の前で話し続ける女性。ドラゴンにとって生まれて初めての恐怖だ。声は聞こえるが見えない。声は女だが、男の可能性もある。剣も、鎧もなく、か細い腕にはテニスラケットだ。
「待ってくれ、少し時間が欲しい。」
外の女性に向かってドラゴンが話しかける。
「待て?5分?4分?…開けなさいよ!」
ガチャガチャとドアノブが動く。
なんだ、なんなんだこの感覚は。あの光っていた妖術使いの時と似ている。似ている?!あいつか!変な力で俺をこんな姿にし、更に殺しに来た訳か!
「こんな格好にしやがって。今度こそ、倒してやる!」
ドラゴンは、ラケットを持ち扉の鍵をガチャリとあけるのだった。
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