第7話 覚醒

「ずいぶんと遅いお目覚めですね!」


この微かに聞き覚えのある声は、僕を眠らした張本人。

 

「何が目的だ!」

「それに今僕が使ったのは、まさか魔法なのか?」


 僕は、声のする方に頭を向け目に力を入れた。

 僕の問いに幼女は微笑して、答えた。


「ずいぶん質問が多いですね。」

「聞けば何でも答えてもらえるとでも思っているのかしら。」


 僕は生唾を飲み込み、一瞬ギクッとした。

 

 「身体は自由に動けるでしょ?」

 「それに魔法だなんて恥ずかしい言葉を臆面もなく口にするなんて、自分で答えがわかっているかのようじゃないですか。」


 そうだった。僕はいつだってそうだ。まるで周りから与えられるのが当たり前のように過ごしてきた。この幼女は知っている。この世が無知には残酷で厳しいという現実を。


 この幼女のように見える何者かは、既に幼女ではない。

 変身、憑依、転生、いや魔物の類だろうか。

 この冷たく厳しい幼女に対しての質問は気をつけてしなければならないな。


 「あなたに送った案内状はもう確認したのでしょう?」

 「ですからお迎えに上がったのですよ。」

 「今日は2月1日です。」

 「もう間も無く開催されるでしょう。」


 ぁあ!まさかのあのメールのあの案内状?

 僕が開くのも予めわかっていたのか。

 一体いつから仕組まれていたんだ?

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