第19話

それから僕たちは伊織が歌ったり叶音さんと一緒にはしゃぎまくったり伊織に無理やり歌わせたりした。


「いやー!カラオケすごい楽しかった!また3人で行こうね!」


「おう!久々にこんな歌ったわ〜!侑里の意外な特技も見つけたし?」


「ねえそれやめて本当に、またお前ににんげんっていいな本気で歌わせるよ。」


「やめてくれってあれ結構しんどいんだぜ?」


「私がもう1回聞きたいって言ったら?」


「そりゃ叶音ちゃんのためなら喜んで歌います!」


こんなやり取りをしていてふと思った。

僕らは知り合ってからまだ2ヶ月しか経ってないんだ。


僕は昔から友達が少ない方だし、伊織みたいにグイグイいける方でもないから基準とかはよく分からないが、僕の中で2ヶ月でここまで新しい友達と仲良くなったのは叶音さんが初めてだった。

伊織は幼なじみ的な面も多いから比較対象にはならないと思う。……多分。


「しばらくテストも無いし、また明日から色々寄り道できるね?」


「当たり前だって!そのために俺テスト頑張ったんだからさ〜。」


「うん、僕も楽しみ。」


ここまで毎日が楽しく過ごせているのも人生で初めてだ。

これも叶音さんたちのおかげだな。


「……くん、…りくん?侑里くん!」


「あ、はい!何でしょう!」


「もう、何考え事してたの?明日はどこ行こうか3人で決めようよ!」


「明日かー、どこがいいかな?」


「はい!ゲーセンがいいと思いまーす!!」


「えー…最近結構行ってない?僕もうゲーセン用に貯めてるお金尽きるんだけど…、叶音さんどこか行きたいところある?」


「んー…なんか遊んでばっかりだし、放課後どこかスイーツなんでどうでしょう!みんな甘いの好きかな?」


スイーツか、確かにずっと遊びっぱなしな気はしていたからいいかもしれない。


「あ!じゃあさ!普通に晩御飯ってことでバイキング行かね?そこなら色んなもん食えるし!」


「いいね、僕も賛成。」


「バイキング…!全然行ったことないからすごい楽しみ!」


「っしゃ!じゃあ明日はそれで決まり〜!明日は食べまくるぞ〜!」


「私も食べて元取るよ!!」


「あ、あはは……」


明日もすごく楽しくなりそうな気がする。


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