第18話
「へ~、カラオケってこんな感じなんだね!すごいワクワクする!!」
「そうでしょ?あ、俺飲み物とってくるけどながいっち何にする?あと侑里も。」
「あー、私病院から水以外あんまり飲まないように言われてるから水でいいよ!侑里くんは?」
「僕もお茶でいいかな、でも3つ持って来れるの?」
「ファミレスバイトなめんなよ。」
と謎のドヤ顔を披露して伊織が個室から出ていった。
伊織がかえって来るまでの間、僕達はテストで分からなかった問題や不安なところの答え合わせをして合ってるか間違ってるかで浮かれたり意気消沈したりしていた。
伊織がいるとあいつがずっと落ち込むことになるだろうから。
しばらくしてガチャっと音を立ててドアが開いた。
「お待たせ致しました〜、お冷のお客様〜!」
「はーい!ありがとうございます!」
「続いてお茶のお客様〜!」
「あ、ありがとう。」
とファミレス店員風に僕たちの分の飲み物を持ってきてくれた。
「カラオケってこんな感じなんだね?すごいワクワクする!誰から歌う?」
「初めてなんだからながいっちから歌いなよー!あ、それとも侑里にする?」
「なんで僕なの?!歌わないって言ったよね!?」
「まぁまぁ侑里くんそんなこと言わずに〜!伊織くん!今のうちに侑里くん歌えそうなの入れて!」
「任せとけ!」
ここで僕に歌わせたがる2人が謎の連携を見せてきて結局歌わせられる羽目になった。
歌い終わったあと、僕は恥ずかしさでその場に座り込みマイクを伊織に渡す。
すると伊織は
「お前、そんな才能あったんだな…。」
と言ってきて、は?となっていると叶音さんも
「侑里くん、もっと自分の歌に自信持った方がいいよ。」
と急に真面目な顔で言われたのでもっとびっくりした。
恥ずかしくてたまらなかった僕は
「ほ、ほら!次伊織!早く!!」
「いでっ!わかった!わかったから落ち着けって!」
と急かすように伊織に八つ当たりをしてしまった。
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