第15話

それからしばらく叶音さんは体調が良かったらしく、学校に来ていた。 

本当に約1年後にいなくなるのだろうかと思うくらい元気だった。 


僕と伊織、それから叶音さんという周りから見たら謎のメンツだったが、そこら辺で突っかかってくる輩は男女問わず叶音さんが撃退してくれていた。

僕もその時の叶音さんを1度止めたことがあるが目の奥が笑っていない状態で「侑里くん」と言ってきたため、そこから止めなくなった。


理由については察してく欲しい。


僕たちは叶音さんの体調が良い日はほぼ毎回遊びに出かけた。これが本当に高校3年生の姿なのかと自分たちでも思うほど。


「てか2人とも、今月テストだけど勉強してる?」 


「あー、僕はそろそろ始めようと思ってたところ。叶音さんは?」


「私もぼちぼちやろうかなと思ってた。」


「お前ら偉すぎない?俺全くやる気なかったんだけど。」


「じゃあ明日から勉強会やろうか。」


「OK、普通に学校でいいよね?」


「しょーがねーな、じゃあ帰りお菓子買って帰ろうぜ。」


最近色んなところ行ってるから出費がすごいんだけど。と心の中でぼやきを入れつつ、次の日から始まる勉強会のお菓子を買うために学校を後にした。




   




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