第4話

「〜🎶」


と長井さんの鼻歌を聞きながらゲーム画面を開いていざこれからやろうと思った時、急に長井さんの電話がなった。


「あ、ごめんね、ちょっと出てくる。」


「お気遣いなく…」


しょうがないから先にちょこっとやっておくか…と思いながらスマホの画面を操作してると


「お母さんちょっと待ってよ。いくらなんでも過保護すぎじゃない?さすがに余命宣告されてるとはいえそこまで言われたら嫌だよ。え、先生の言ってること?うん、うんわかった。じゃあ今から帰る。」


と大きめの声で聞こえてしまった。

1人でうわぁやってしまった。思いっきり聞いてしまったイヤホンしとけばよかったなどアワアワしていた。


「郁里くんごめんね、今母親から電話あって帰らなくちゃ行けなくなったんだ、ゲームはまた明日やろ!」


「あ、うん、そうだね。」


その後は2人で帰る支度をして世間話をしながら玄関まで来たが靴を履き替えるところで


「ねえ、さっきの母親との電話、結構大きい声で話しちゃったんだけどもしかして聞こえてた?」


とふと聞かれてしまった。


「え、あー、えっと…」


としどろもどろになりながら言葉を探していた。ここまで嘘が付けない性格に腹が立ったのは初めてだった。


「聞こえてたんだね、ごめんね、あんな話聞かせちゃって。」


と謝られてしまったから咄嗟に


「そ、そんなことないよ、今朝の挨拶が嘘だって言ってたのもそれが嘘だと思ってたし、いや、ゲームのやりすぎかもしれないけど、こっちこそ聞いてごめん。」


と口走ってしまった。

すると長井さんは笑いながら


「そっか、じゃあその嘘を見抜いてくれたお礼に帰りながら教えてあげよう。」


なんて言うから断ったけど彼女は


「いいって、私が言いたいだけだし。聞いてよ。」


と話し出した。


「私、1年後に死ぬの。」

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