第2話

うわー、なかなかすごいこと言う子だな。

でも関わることないだろうしなんで死ぬのかなんて聞くこともないだろうからいいや。


「じゃあ長井の席は…窓側から2列目の1番後ろな。あと岩下、お前休み時間か放課後に長井に学校案内してくれ。」


「え、俺っすか!!やりぃ〜!」


伊織、調子乗ってるとまた担任の餌食になるぞ。

と絶対に表にも口にも出せないようなことを心でこぼす。


そのあとはいつもと変わらず始業式をしてLHRの時間になったのだが、みんな先生の話などは程々に聞く程度でやはり注目は転校生の長井さんの事だった。

どんな質問をしていたかは僕は興味なかったから特に何もせずにスマホの画面を覗いていた。


「そういえばなんで朝のHRの時来年のこの時期には死んでるなんて言ったの?アレすごいびっくりしたんだから〜!」


と誰もが聞こうとしてもしなかったことをとうとうある女子が聞いてしまった。


それでも長井さんは


「いやー、私初対面の時に嘘か本当か分からない冗談言ったらどんな反応するのかなーってちょっと気になったんだよね!」


とケラケラと笑っていた。


嘘か。ゲームのやりすぎかもしれないけどあのトーンで自分が死ぬという冗談を言えるのか気になったが、この疑問も口に出さずに心の中でこぼすことにした。

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