第198話 買い物へ行こう!②
海里と颯斗は女子グループとは反対側にある水着売り場へと向かった。
売り場に着くと、颯斗が口を開いた。
「やっぱり水着を選ぶならカッコいいのがいいよな。折角アイドルの人達がいるんだし」
「俺は麗音さん、レイナさん関係なく、綾佳に褒めてもらえる水着を選ぶよ。颯斗だって楓ちゃんという彼女がいるんだから、彼女の為に選びなよ」
「ぐぬぬ…確かにそうなんだが、現役アイドルたちにカッコいいって言われたいじゃん!!」
「はぁ…その気持ちは分かるが、大事な人がいるんだから大切にしなよ」
颯斗はサムズアップをしながら、「もちろん!」と言って早速水着を選び始めた。
(これは当日が色んな意味で楽しみだな)
そう思いながら、海里も颯斗の近くに行き水着を吟味しだした。
すると颯斗は水着を見ながら、海里に話し掛けてきた。
「海里はどの種類の水着を買うんだ?」
「サーフパンツにするつもり。上下セットでもいいんだけど、上半身は日焼けさせようかなって思って」
「そうか… 日焼けか… 俺は上下セットにしようと思ったけど、パンツだけでいいか」
「これはさ、俺個人の意見だから、颯斗が思うように買えばいいと思うよ」
「それもそうだな。俺のカッコいい腹筋を見てもらいたいから上下セットはやめた!」
そう言って、颯斗はサーフパンツを選び始めた。
海里は微苦笑をしたあと、自分の水着選びを再び吟味し出した。
———それから15分後
海里と颯斗は納得のいく水着を選び、待ち合わせのフードコートへと向かった。
◇◆◇◆
フードコートに着くと、すでに女子グループたちが席に座って食事をしていた。
海里と颯斗は女子グループが座っていた隣の席が空いていたので、そこに座って荷物を置いた。
そして颯斗は女子グループの一人一人に視線を向けたあと、口を開いた。
「あの…女性陣方。俺たちが来てないのに、お昼を食べるのは酷くないですか?」
「ちゃんと待っていたんだよ。だけど颯斗たちが来るのが遅いから食べてしまおうってなって…」
颯斗の質問に楓が答えた。
だけど、楓は海里の方をチラチラ見ながら様子を伺っていた。
海里は首を傾げながら なんだろう… と思いながら、楓に聞いてみた。
「楓ちゃん。俺の方をチラチラ見ているけど、何か気になることでもあったのかな?」
「いや…その…海里さんは何も悪くないですから!!悪いのは全て颯斗ですから!!」
それだけ言って、楓は水を一気飲みしていた。
綾佳、麗音、レイナはその様子を見て、うふふ…と呟いていた。
「ほらほら、海里くんもお昼買って来な!早くしないと、私たち食べ終わっちゃうぞ〜」
「はいはい。お昼を買って来ますよ」
「いってらっしゃい〜!海里くんの水着を見て待っているからねー!」
「ダメだ!!それは当日までのお楽しみだろ!!」
というわけで、水着の入った袋を持って颯斗と共にお昼を選びに行った。
海里と颯斗も選び終わり、一同は昼食を食べながら話をしていた。
「それじゃあ、プール&花火大会に行く日は8月初めの日曜日でいいよね?」
綾佳の言葉で麗音とレイナはスケジュールを確認し、楓と颯斗は頷いた。
海里だけは綾佳と同じスケジュールなので、確認することはなかった。
「はい!私もその日なら大丈夫です!」
「私もだ。マネージャーに仕事を入れないでくれと頼んだから、これから入ることもないだろ」
スケジュール確認を終えた麗音とレイナも大丈夫なことが分かった。
「それで現地までどうやって行こうか?」
綾佳が次に質問したのは現地までの移動手段だ。
「皆さんで楽しく電車で行きましょう!私、友人たちと電車で向かうのを一度やってみたかったのです!」
「流石お金持ちだな。今まで車移動だったのかよ」
「私だって色々あるんですよ。色々と…」
「……そうか」
それ以上麗音は言葉を続けなかった。
それから全員で時間、待ち合わせ場所などを決めていった。
———全員、わくわくしていた。
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