第4話 『メタボ星人の罠』
『そろそろ、情報公開すべきだ。』
メタボ星人のボスが、地球側の代表に告げました。
『あなたがたが、望むように、いくらかの、奇跡を撒いてきましたよ。あちこちで、病気を治し、テクを伝授し、また、戦争を起こして儲けさせてあげました。我々は、今までは、表には出なかったが、ぼちぼち、公表すべきですな。我々は、愛すべき、奇跡のメタボとなるのです。』
すると、地球側代表が言いました。
『いいでしょう。こちらも、準備ができましたからね。』
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それから、一月たったある日、国連事務総長さまは、地球の全人類に向けた演説を行いました。
『みなさん、冷静に聞いてください。地球人は、この宇宙で、孤独ではなかったのです。こちらは、メタボ星人の司令官さんです。』
白いベールに身体中を包んだ存在が言いました。
『ども。地球のみなさん、こんにちは。こんばんはのかたもあるでしょう。我々の母星、メタボ星がどこにあり、いまどうなってるのかは、実は、だれも、知りません。我々は、はるかなむかし、旅に出たのです。いま、ニューヨークの真上に、移住宇宙船を浮かべております。』
テレビ中継の画面に、そらの彼方に浮かぶ、しかし、非常に巨大なものが浮かんでいたのです。
『あなた方は、初めて見るかもしれませんが、あなた方の先祖の方は、我々と会ったことがあります。ただし、その時期はまちまちです。我々は、ながきにわたり、地球を観察していました。』
それ、は、ベールを取りました。
そこにいたのは、日本のある種の遮光器土器のような、非常に特徴のある姿です。
むかし、青森県で見つかったものです。
『我々の姿は、真実ではありません。我々は、11次元の世界に生まれましたが、さまざまな工夫をして、あなた方とまみえることが可能になりました。あなたがたが見る我々は、あなた方の都合であります。我々は、古くから人類との関係がありました。火星人もそうです。しかし、我々は、かつて誤りを犯しました。火星文明を滅ぼしたのです。いまは、あれは誤りであったと、解釈されています。だから、今回は、あなた方地球の方と、良い協力関係を築きたいです。ういんういん、であります。しかし、一般のみなさんは、なにも変わらず、いつものように、生活してください。』
この、『なにも変わらない。』
というセリフは、非常に危険だと、テレビを見ていたやましんは、感じたのです。
それは、独裁者のセリフですから。
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