第3話 『神社の謎』


 しかし、とにかく、やましんは、神社のお社まで行き着きました。


 平日でもあり、あまり混んではいませんでしたが、それでも、結構、地球人類が訪ねてきておりました。


 意外に大きな本殿の脇に、お守りなどを販売する社務所があります。


 『目太母丸は、こちら』


 という、看板が立てられていました。


 『まあ、まずは、本殿にお参りしよう。』


 と、祭壇がはるか奥にあるらしき本殿の前に立ち、ご挨拶をいたしました。


 『ご自由にお持ちください。』


 と、ある箱のなかに、こちらの神社の由緒などが書かれたパンフがたくさん入っています。


 『当神社は、はっきりした起源がわからないくらい、古くから存在していたとされます。』


 『ふんふん。』


 『日本の歴史のなかで、いまだに謎とされることが多い弥生時代後期には、すでに存在していたとされます。』


 『ふんふん。最古の神社と言われるところは、いくつかあるはず。それらと並ぶとな。本当に?』


 やましんは、ぐちゃぐちゃ呟きながら、社務所に向かったのです。


 何種類もの、御守りが並ぶなかで、ひときわ目立つのが、『目太母丸』でありました。


 なにしろ、一粒が、わりにでかい。


 アーモンドチョコくらいある。


 しかし、御守りとは一線を画すかのように、太古の時代から、姿は代わらないのだというのですが。


 一箱、2000ドリム。


 けっして、お安くはない。


 しかし、このために、やって来たのですから。


 『あの、こちら、ください。』


 やましんの、顔を見た巫女さまが、一瞬固まったような感じがしました。


 それから、こう言ったのです。


 『あ、あなたは、やましんさまですか?』


 『え? まあ、そうよばれますが。本名は、違いましよ。』


 『ああ、間違いございません。目太母丸のオリジナルが、輝いておりますゆえ。あなたさまがおいでになることは、予言されておりました。』


 『はあ?』


 『それだけです。はい、2000ドリムです。幸運に恵まれますように。』


 『はあ。』


 なんで、ニックネームが解ったのかは、いささか不思議でした。


 

 それから、1月くらいして、お医者さまから言われたのです。


 『やましんさん。良かったですね。再検査の結果、違う病気であることが分かりました。これならば、心配ありません。ただし、メタボリックシンドロームは別ですが。でも、なんだか、血糖値、かなり下がりましたね。運動しましたか?』



  ・・・・・・・・・・ 


           つづく………



 

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