第57話 押し寄せる大軍勢

レプリカの指示により、魔王城そしてその周辺にいる魔物達、計20万の大軍勢がクロス達のいる村に攻めに向かった。


魔物達の数は少しずつ纏まりながら歩く、その姿はこの世の終わりのようだった。


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そんな事は梅雨知らず、クロス達は覚醒の種で消耗してしまった体力の回復に専念していた、その間にも索敵は行い、いつどんな者が来てもいいようにしていた。


英雄の力が戻ったことにより索敵に使う魔力よりも回復速度が早く他の人達よりは遅れるが、ほんの数十分の差だ


皆が休養を取ってから数時間、広範囲の索敵に何かが引っかかり、意識を集中させる


クロス「何かがこちらに向かっている」


フローズ「何か?」


クロス「ああ、それも1つや2つじゃない、これは.....」


グエン「まさか、レプリカが!」


クロス「そうだ、後1時間程で魔物の大群がこちらに来る」


シルフィ「まさか、このタイミングで来るとは」


ミク「でも、覚醒の種を食べて苦しんでいた時に来なくて良かったと思うけど?」


クロス「ああ、それは俺もそう思う、もしその時に来ていたら......」


メミル「私達は何も出来ないまま」


セシル「全滅していたかもしれないね」


その言葉に皆が冷汗をかく、本当に運が良かった、そう思うしかない


クロス「まぁ、今もその危機が迫ってるけどな」


クロスの索敵で確認できた数でも軽く5万は軽く超えている、それにまだまだ増えている、たった7人しかいないのに、ここまでの大軍勢を送るなんて、完全に潰す気があるとしか思えない。


クロスはそう考えながら、別の事も考えていた、前世の世界では入り乱れた乱戦や1対多数の時もあったが、今回は圧倒的に数が違う、そして英雄の力をフルで使えるチャンスでは?と考えている


クロス「兎に角、俺の索敵ではここから真っ直ぐ、つまり魔王城方面から約10万、右が約2万、左が約6万、後方が約2万、計約20万の大軍勢だ」


その言葉を聞いてミク達剣聖達は顔がみるみる白くなっている


まぁ、これが普通の反応だよな


そうクロスは思いつつ、フローズ達を見る


フローズ「20万か....初めてねこんな大軍勢」


グエン「ハァ、自分の部下を殺さなくちゃいけないなんてなぁ」


シルフィ「お気になさらず、彼らは魔物、意思などありません、魔素(空気中にある魔力の空気)によって生まれて来るのでここで殺しても、いつか復活しますので、全力で戦えますよ」


クロス(俺も含めて、数の暴力に慣れ過ぎているせいか、こんな時でも冷静でいられるな)


しかし、このまま待機していてもいずれ来る、...ならば


クロス「確かに魔物の数は約20万の大軍勢だしかしよく考えてみてくれ、レプリカはその軍勢を操っている、つまり、そこに感情も意識もない、ただの人形だ、そいつらに俺達が負けるとでも?」


そう言ってクロスはニヤける


フローズ「そうね、こんな所で死ぬわけにはいかない」


フローズは胸に手を置き


ミク「あたしも覚悟を決めなきゃ、クロスの為にもこの命尽きるまで......」


ミクは戦う意志を持ち


メミル「聖女として私は前線には行けないけど、後ろで必ずサポートする」


セシル「後は必ず守る」


メミルとセシルは己の職業を最大限に使い、少しでも皆が役に立てるように誓った


クロス「皆んなの覚悟もわかった、...よし、行くぞ!」


皆んな「おう!」


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そして..........


クロス「来たな」


クロス達は村から離れ、東西南北で分かれて魔物達を待っていた


魔王城から来る10万をクロスとセシルが


右から来る2万をミクとシルフィが


左から来る6万をグエンが


クロス達が来た方向から来る2万をフローズとメミルが


待ち構えていた。


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クロス.セシル組


クロス「来たな」


セシル「うん」


クロス達は最も敵が多い所にいた、クロスは落ち着いているが、セシルは痩せ我慢をしているだけで実際のところは足が震えている。


そんな姿を見てクロスはセシルの頭を撫でる


セシル「あ」


クロス「心配するな、ただ数が多いだけだ、今の俺達なら簡単に勝てる」


セシル「う...うんそうだよね」


クロス「ああ、それじゃあ始めようか?」


そう言ってクロスは紅き剣を出し


軽く剣を振るった


ドゴォォォォン!!!!!!!


それだけで地面が抉れ約100m離れた魔物の軍勢の所に大爆発が起こる


セシル「.........................................へ?」


遅れて反応するセシル、いきなり過ぎて何が起きたか理解できていないようだ。


クロス「セシル、ぼうっとするな、どんどん来るぞ?」


その言葉を発した後、ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド


と地響きが聞こえる、どうやら今の攻撃で、相手を怒らせたようだ。


クロス「セシル、お前も魔法を使って魔物を倒すぞ」さ........


セシル「う.....うん!」す.......


2人は武器を構えて、


クロス.セシル

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


魔物の中に入っていった


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ミク.シルフィ組


シルフィ「貴女とは」


ミク「?」


シルフィ「貴女とはこれが初めての会話ですね」


ミク「そうですね、あたし達まだあったばかりですしね」


シルフィ「ええ、ですが、これも何かの縁」


ミク「はい、本来であれば貴女とは敵として合ってますからね」


そう言ってミクは剣をシルフィは弓を構えた


ミク「2万の軍勢に対してこっちは2人、ハァやるしかないんですね」


シルフィ「ええそうですね、やらなければ他の方々の迷惑にもなりますから」


そしてミクが前に出る、シルフィは、彼女の援護をするために弓を引く


ミク「剣聖の力見せてあげる!」


シルフィ「魔族に刃向かった事後悔させます!」


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グエン組


グエン「俺1人で6万か、まぁレプリカを倒す前の準備運動と考えればいいか、それに」


グエン「仮にも魔王に刃向かう愚か者には、それなりの罰を与えないとな?」


そう言ってグエンは魔物達の方に手を向け、


グエン「ヘルファイヤ!」


炎の玉を放つ、大きさは人間の頭ぐらいだが、当たった瞬間キノコ雲が出来るぐらいの大きな爆炎となり、その熱風がこちらにまで来る


グエン「さあ!かかってこい雑魚ども!」


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フローズ.メミル組


メミル「フローズ様?」


フローズ「何?」


メミル「よろしかったのですか?クロスと一緒にいなくて?」


フローズ「ええ、構いませんわ」


メミル「.....それは何故です?」


フローズ「フフフッそうねぇ、2万の軍勢を壊滅させたら教えましょう」


そう言ってフローズは紅き剣を構えてメミルを、見る


フローズ「さあ、どうしますか?」


メミル「上等です!やってやりますよ!」


メミルは光輝く矢を魔法陣の中から出す


フローズ「フフッさあ、今の私がどこまで強いか試させてもらうわ!」


メミル「そう易々と倒せると思うなよ?」


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続く

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