第34話 リスタート
コツコツコツコツ
真夜中、クロスはミク達の部屋に向かいに歩いていていた。
夕方にフローズに言われた彼女達との婚約のことについて話す為に。
ちなみにフローズは何故か"外で待機"していた王妃と共に国王のところに行った。
クロス(とは言っても、俺はあいつらにどう会えばいいんだよ。)
クロスは聖教会での出来事の後から彼女達と極力関わらないようにしていた、
まぁ、彼女達がいつも来ているからあまり意味ないが。
当初の予定だと、ミク達と離れてフローズと結婚する、それだけだった。
しかしマンルの魅了を無くし、彼女達は正気に戻った、許すつもりはなかった、あのとき突き放すはずだった、
だけど彼女達のあの姿を見て、心が胸が痛かった、あんなにも、あんなにも嫌だったのに、それでも、彼女達が好きだったんだと、改めて自覚した。
勿論フローズは愛している、でもこの世界の俺、いやこの世界のクロスは、彼女達が好きだったんだろうと
————————————————————
ミク達の部屋
彼女達は一応客人として扱われている、熱りが冷めれば、村に帰る予定だ。
クロス「すーーーーはーーーー.....よし!」
深呼吸をして気持ちを落ち着かせてノックする
コンコンコン
ミク「はーい、今開けまーす」
ガチャ
ミク「一体こんな時間になんの....ようで...す.........か」
メミル「どうしたの、ミク?」
セシル「.....ミク姉?」
クロス「よ.....よお、ちょっとお邪魔するけど....いいか?」
メミル「........クロス」
セシル「........義兄さん」
辺りは静寂となり、虫や爬虫類の音などが響く
ミク「いいよ、入って」
そう言って部屋へ招く、クロスは恐る恐ると入る
(中はホテルの3人部屋を想像してください。)
とりあえず、手前のベットに座る、その隣にセシル、前のベットにミクとメミルが座る。
クロス「..............」
ミク「..............」
メミル「..............」
セシル「...............」
何かを喋ろうと考えているが、今までのことがあり、中々話せないでいる。
クロスは勇気を持って言う
クロス「あのさ、」
この一言を言うだけでどれだけ神経を使ったかわからないがクロスは汗をかいていた。
クロス「皆んなはさ、今、どうなの?」
ミク「....え..ええまぁ退屈かなぁ~」
メミル「ずっとここにいるわけだしねぇ」
セシル「う...うん」
クロス「そ...そっか」
.......................話が続かない
どうにかしてこの状況を打破する為には.....
そうクロスが考えていると
不意にメミルが話し始めた
メミル「懐かしいよね、これ」
クロス.ミク.セシル
「え?」
メミル「こうやってみんなで揃って話すのって」
クロス「そういえば、そうだな」
ミク「私達が村を出てから1年と数ヶ月」
セシル「お互いに顔を合わせたりしたけど、こうやって4人だけってのはなかったね。」
メミル「.....懐かしいわね」
そう言って4人は顔を見てくすりと笑う、たしかにそうだった、すっかり忘れていた。
たしかにあの頃は辛い日々だった、けど、それでもこんな感じで楽しいと思えた日々もあった、束縛のせいで心に余裕がなくなり、つい忘れてしまった。
メミル「..........クロス」
クロス「義姉さん?」
メミルは優しく笑い、そして大粒の涙を流して言う
メミル「ごめんね....ごめんね、何回も謝って許してもらったけど.....それでも私達は貴方を裏切ってしまった。」
その言葉を聞いてミクとセシルも涙を溢す
ミク「ひぐっ.....あ....あたしだって、本当は貴方と結婚して幸せな生活をおくるはずだったのに.....それなのに....それなのに!」
セシル「この世で1番愛しているのに、なのにあんなもので全てを狂わされるなんて!私は........!!!」
クロス「........みんな」
溶かされていく.....彼が抱いていた憎しみが、閉ざしていた心の鎖が.....
溶けて...外れていく。
今の彼女達はもう、あの頃の彼女達じゃない、俺もあの頃とは違う、もう戻ることはできない、でも、
クロス「改めてだけどやり直そう、一から」
泣きながら3人は答える
ミク「いいの?私達はもう汚れてるのよ?」
クロス「お前達は汚れてなんていない。綺麗なままだ」
メミル「まだ貴方に対する独占欲は無くなってないわよ?それでもいいの?」
クロス「少しならな」
セシル「また、家族に戻れるの?」
クロス「ああ、戻れるさ、その為に来たんだ。」
ミク「?.....どう言うこと?」
クロス「実はな.....」
————————————————————
~クロス説明中~
クロス「と、言うことなんだ。」
メミル「なるほどね、でもいいのかなフローズ様、あんなにもクロスのこと好きなのに」
セシル「フローズ様は私達の話に興味津々なお陰でこう仲良くなったけど」
ミク「まぁ、私達も私達の知らないクロスの話を聞いていろいろ嬉しかったし」
そう言って受け入れるのどうしようかな彼女達が悩んでいると
ガチャ
フローズ「話終わった?」
フローズが入ってきた、
クロス.ミク.メミル.セシル
「フローズ(様)!?」
フローズ「わっびっくりしたぁ~、そんなに驚くこと?」
クロス「ことだよ、てか何しに来たんだ?義母様と一緒に何処か言ってたけど」
フローズ「ん?ああ、それね、実はお父様に話に行ったんだよね」
ミク「そうなんだ(知らなかった)」
メミル「もしかして私達の婚約のことで?」
フローズ「ええ、勿論そのことです」
セシル「反対されなかったんですか?」
フローズ「勿論したよ、だから私がお父様が必死隠している、本の居場所を言おうとしたら許可してもらえたよ♪」
ミク.メミル.セシル
(何隠してんだろう?)
クロス(.......義父様、ご愁傷様です。)
とりあえず、とクロスが言い話を戻す
クロス「フローズと俺はもうお前達と婚約したいと思っている、やり直しも兼ねてな、でも決めるのはお前達だ、だから決めてくれ。」
そう言って選択を任せる、これで断っても、文句はない。
ミク「............あたしは、まだ無理かな。」
クロス「......そうか」
そうか、そうだよな、そう簡単にできるものでもないか
ミク「あ...勘違いしないで!あたしはクロスと結婚したいと思ってるよ!...でも」
と、間を置いて
ミク「あたしはまだ貴方に相応しくない、だから公には婚約したと言って、本当はまだ仮にしとくの、これから起こる戦いであたしは罪滅ぼしをするつもり」
"それが終わったら、あたしと結婚して"
そうミクは告げる
クロス「.......わかった、2人は?」
メミル「私も同じ考えよ、貴方が許しても、私自身が許せないの」
セシル「義兄さんは優しいから、それに甘えてしまったの、だから今度は自分にも義兄さんにも甘えないで、この罪を受けたいの。」
どうやら2人とも同じ意見のようだ、なんか、本当に変わったなとクロスは思った。
クロス「.........わかった、とりあえず今は保留で公には婚約したと言う事にしておこう」
フローズ「フフッよかったねみんな」
ミク「ええ、もう間違えないわ」
メミル「私達はクロスに執着しすぎてしまったし、色々と我慢しないとね」
セシル「久しぶりに義兄さんとまともに話せてよかったよ」
クロス「そうか、みんな今日はありがとう」
こうして、クロスとミク達の婚約(仮)は決まり翌日それを記事にし町中に広まった。
————————————————————
続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます