第32話 世界を揺るがす真実
聖教会
それは女神を信仰するこの世界一の宗教団体
女神は人類の危機が迫ると、それに対抗できる者達を神託する。
それが勇者であり、それを支えるのは
剣聖
聖女
賢者
である。
これは遥か昔から語り継がれるものであり、人々はこれが事実だと思っている。
.......あの日までは
勇者マンル対英雄クロスの親善試合
これは各国を揺るがし、そこの支部である聖教会もこぞって集まりその戦いを見た。
この世界にはない未知の職業英雄
それを使い勇者の攻撃をものともせず、呆気なく終わった。
そこからは目まぐるしい日々が続いた。
勇者マンルによる悪行
2人の英雄
そして真の敵レプリカの存在
神託を降る時に聞いた違和感により。
偽神レプリカが女神に憑依し、そして僅かに主導権を取り戻した時に発した声と奪い返した時の声によって確信に変わり
その話は世界に広まった。
人々は信じなかった、
どうせ嘘だろうと
英雄も作り話だろうと
誰かが捏造した話がここまで盛り上がったに過ぎないと、
しかし、勇者マンルが英雄クロスに負けた時の映像を水晶で見たごく一部の者達は、この話を信じ、事の重大さを知る。
神託によって選ばれた勇者では神には勝てない、女神の力によって勇者は”魔王”を倒すために存在しているのだから、
つまり、世界の命運は英雄クロスそして英雄フローズの2人に託すことになる。
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聖教会ベンディ王国支部
神父「...................」
神父は頭を悩ませていた、このまま信仰を続けていいのだろうかと、勿論、我々聖教会は女神を信じている、しかし、あそこまで堕ちた勇者と偽神に乗っ取られている女神を信仰して果たしてなんの意味がある?
噂は広がっていく、一度広まった話は当分は消えない。
それに...
信者「何を考えているのですか?」
神父「...貴女ですか、一体何のようですか?」
信者「貴方が何か考え事をしている感じでしたので、私も役に立ちたいと思っただけですよ。」
神父「......別に貴女の力を使う必要はありません、私一人で十分ですよ。」
信者「.........私のことで....ですか?」
神父「......正解です。」
そう、もしも今後もこれが続けば確実に信者は減る、それでも続けた場合、もしかしたら私たちは偽神レプリカを信仰しているのではないか?と疑われる可能性だってある。
今はまだ何もわからないが、今動けるうちに動いておかないと、大変なことになる、そんな予感が彼にはあるのだ。
神父「私はね、本来であれば、今のこの状況を打破し、新たな信者を増やすために動かないといけないんです」
しかしと間を置いて
神父「私だってひとりの人間です、愛する人を最優先にしてしまうんですよ」
そう言って彼は信者を....愛する恋人ミラノを見る
信者(ミラノ)「..................」
彼女は黙る、それはそうか、私は自分でも認める最低な男だ
昔から彼女と付き合っていたが、それなのに他の女性と関係を持ち何度も彼女を傷つけた。
それでもついてきてくれる彼女に自分の愚かさを知り、もう二度と悲しませないように努力した。
だが、それが私自身の罪滅ぼしになっているのかどうかはわからない、本当は彼女はもう私の事を......そう考えると不意に甘い香りが鼻腔に来る
なんだ...?そう考えるといつのまにか彼女が私に抱きついていた。
神父「....ミラ....ノ?」
信者「大丈夫よデンラ私はずっとそばにいる、たとえどんな事をなろうとも私はずっと....そばにいる。」
そう言って力を強める、本当ならここは神聖な場所、このような事をしてはいけないが。
神父.信者
「「神よ今だけは、どうか...お許しください。」」
そう言って2人は静かに抱き合った。
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ベンディ王国~国王執務室~
国王「ついに来たか」
宰相「ええ、しかしここまで多いとは、恐ろしいものです」
クロス「皆怖いのでしょう、未知なる存在がいることに」
フローズ「しかし、噂がここまで広まると、中々やばい状況ね」
王妃「ほんと、どうにかならないもの?」
国王の執務室、そこには大量の手紙が置いてあった、それは各国からの
"英雄の力を我が国で確かめたい"と
言う手紙だ
しかし
国王「はぁ、これどうやって言い訳すんだよ」
宰相「ええ、勇者の時と同様の親善試合の申し込みも含まれていますからね」
クロス「素直に英雄を独り占めしたいから寄越せ!とか言わないかなぁ」
フローズ「そんなこと言うわけないでしょ?」
王妃「ここまで、噂が広がり、そして実際に存在する勇者を超える存在"英雄"それを利用すれば例え偽神レプリカのことが嘘でも、クロス達がいれば戦争の抑止力にもなる」
クロス「......考えたものだな」
フローズ「ええ、たしかに今この国は幽閉されている勇者を含め、剣聖、聖女、賢者、英雄と名だたる者達がここにいます」
王妃「これでもし相手国がこちらを攻めようと考えたのなら、聖教会もこちら側になる。」
宰相「事実上この国は人間の国の中で1番戦力を持っていることになる」
国王「そんな国を放っておけず、いい具合に偽神レプリカの噂が出たからこれを好機と考えたんだろうな」
人間というのは力を持つとどこまでも堕ちる、我々日本人なら分かる豊臣秀吉も
そうだ、力というのは法律で裁けない麻薬のようなものだ、どんどん欲しくなり、どんどん欲望に呑まれる。
そうでないもの達もいる、しかしそう人達より、欲望に忠実に生きる者達はさらにそいつらを蹴散らす。
そして今ベンディ王国はいわば大量の麻薬がある夢の国、それがあれば、更なる欲が手に入る。
無論そんな事を考えず、ただ真剣に英雄の力を見たいいう国もある、しかしそこだけOKつまり承諾してしまう例を作ってしまと、
"その国がいいなら俺達もいいじゃん!"
となり、ややこしくなる。
王妃「はあ、今はそんな事をしてる暇ないのに」
宰相「仕方ないですよ、流石にこればかりは」
王妃「分かってます、分かってますよ」はあ
王妃もため息をこぼす、どうにかしてこの状況を打開しないといけない
フローズ「何か策を考えないといけませんね。」
クロス「このままだとその馬鹿な国同士が同盟組んでこちらに攻めてくるかもしないからな」
国王「はあああ、勇者が終わって今度は国同士かぁ……胃が痛い」
宰相「お薬持ってきます」
クロス「はあ、ただの村人だった俺が何でこんなところに」
王妃「あら?貴方はもう私の義息子なのですよ、いても当然ですよ、それに安心して」
そう言ってフローズと俺を近づけて
王妃「可愛い孫を見るまでは、いや見てからもずっと守るからね♪」
2人は顔を真っ赤にする。
クロス「ちょっと義母様!?」
フローズ「いくらなんでもそれは早すぎ!?」
王妃「あら?夜な夜な貴方達一緒の部屋にいるし、.......ねえ?」
クロス「それは.....あの....その~」
フローズ「まぁ...あの...一応婚約者同士ですし~」
宰相「青春してるなぁ......ん?」
そんなやりとりを聞いていた宰相がふと思う
宰相「これだぁぁぁぁぁ!!!!!」
国王.王妃.クロス.フローズ
「!!!!????」
いかなり叫ぶ宰相に驚きながら聞く
クロス「何か思いついたのですか?」
宰相「ああ、彼らは英雄の力だけを欲しているせいで肝心な事を知っていない!」
フローズ「肝心な、事?」
宰相「ああ!」
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聖教会の説明を一回もしてこなかったので、今回説明しました。
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