第3章 勇者の最後
第31話 平和な日常
偽神レプリカの存在がわかったが、今は女神に憑依している、そのためこちらは何もすることが出来ず、数週間が経った。
~ベンディ王国~
そこの王城にて
時は朝、クロスはここでの生活も慣れて来ていた。
国王「....うまい」
クロス「ありがとうございます、義父様」
クロスの料理がうまい事をフローズから知り、今日の朝食はクロスと料理人が協力して作った。
王妃「...たしかにそうですね、これなら店を出しても文句はないでしょう。」
フローズ「フフッ良かったわねクロス♪」もぐもぐもぐもぐ♪
クロス「いや、料理店開く予定ありませんよ。」
王妃「そうなの?もったいない」
フローズ「もぐ、もぐもぐ、もぐもぐもぐもぐ!」そうだよ、こんな美味しいの、もったいないよ!
国王「」
クロス「...これからも作れる時があれば作りますから、それで我慢してください。」
王妃「クス、約束しましたからね。」
フローズ「もぐもぐ、バクバク、ぱくぱく、もぐぐー!」絶対だからね、約束だからね、嘘ついちゃ、だめだよー!
クロス「はい、わかりました....ところでフローズ?」
フローズ「?」もぐ?
クロス「お前俺のプリンまた食ったろ?」
フローズ「ブンブン!」食べてないよ!
クロス「...今日おやつ作らねーわ」
フローズ「待ってお願いします許してください。」
クロス「では、私はこれで失礼します。」
国王「
王妃「はい、ではまた」
フローズ「ねぇ!クロス!待って!私が悪かったから!ねぇ、ねぇてばぁ~!」
..........。
国王「もうクロスしか相手してくれないんだけど。」
宰相「私なんて、会話すらしてませんよ。」
日に日に仲良くなっている2人を見て喜ぶ王妃と最近影が薄いのかな?と思い始める国王と宰相であった。
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王城~庭園にて~
フローズ「ねぇ~クロス~許してよ~」
あれから許してもらえず、ずっと無視されている
クロス「.........」
フローズ「ううううううう」涙目
クロス「..........」
フローズ「わかった!今度一緒に買いに行くから!」
クロス「よし、いいだろう」
フローズ「わーい!」だきっ
許してもらえたことがよほど嬉しいのだろう、庭の木の下にフローズは隣にいたクロスに抱きついた。
クロスはそれを抱きしめて頭を撫でた
フローズ「むふふ~」撫でられ撫でられ
クロス「......本当にお前変わったな」
フローズ「?」尻尾ブンブン!
クロス「いやな、最初の頃はこんなにも甘えてこなかったなぁと思って」
最初の頃は本当に想いが通じ合っている恋人同士のような感じだったが、今はとても懐く子犬のような感じだ。
.....バカップルとも言うが。
フローズ「......そうね、あの頃は前世の記憶もあったけど、疑心暗鬼状態だったし、色々とあったからね」
クロスとフローズには前世の記憶がある。
それによってマンルの魅了にかからず、偽神レプリカの存在もわかったのだが、それでも約16年間はその記憶もなくこの世界で暮らしていたのだ、いきなり前世で恋人同士であったとしてもそれなりに距離をとっていた、.....はず?
フローズ「それに....」
そう言ってフローズはチラッと物陰を見て
フローズ「ここは私の特等席だと教えないといけないしね~」
そう言って、顔を胸に当てる
そしてニヤリと笑って物陰を見る
ミク「...........」(● ●)じー
メミル「..........」ギリッ
セシル「.........」手から血ブシュー
クロス「(*゚▽゚*)」
フローズが何処か見ているなぁと思いながら目を向けると彼女達がこちらをじっと見ていた。
ミク達は勇者マンルの魅了によって受けた被害者だ、しかし世間の評判では、何処から漏れたかわからないが、英雄クロスを捨て勇者マンルに乗り変えた最低な女達、と言う話が広まっており、このまま村に返すの危険と判断し王城に暮らしている。
クロスとの婚約は白紙なってしまったが、今は昔まではいかないが仲は戻ってきている。
これまでの束縛も勇者マンルの調教によって無くなっているが、フローズとは恋敵としてよく対立している。
クロス(噂によると王妃はミク達ともまた婚約して欲しいらしいが、いいのか?それで?)
フローズもミク達とは恋敵ではあるが、同じ人を愛している者同士で仲良くしているらしい。
しかし.....
フローズ「ぶー!」
ミク「ダキッ」
メミル「ダキッ」
セシル「ダキッ」
我慢できなくなったのか、いつも通り抱きついてきた、ここで彼女達が暮らし始めてからは大体こんな感じだ、最初こそフローズもいやな顔をしていたが、今は特にそうでもない
クロス「世の中はほんとに不思議だなぁ。」
と、この状況に慣れてきている本人も特に気にしなくなっており4人の頭を撫でた。
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王城~国王執務室~
国王「偽神レプリカ」
クロスとフローズが聖教会から帰ってきたときに言われた事
今回の、いや今までの戦いはそいつよる暇つぶしである事、魔王は戦いを望んでおらず、どちらとも"相手"から仕掛けたように思わせて戦わせる。
そして勇者マンルが選ばれたのも多分
レプリカによる暇つぶしのためあえて
屑を選んだ。
聞けば聞くほど、苛つきが止まらない、
こんな悲劇も昔の惨劇も全部、全部
あいつの暇つぶしによるものだと分かると、己の不甲斐なさ、そして前世でそれと戦ってそして救えず滅んだクロス達の世界への憐れみ、そして人生を狂わされた憎しみ
今のところレプリカの有力な情報もなく、また相手が女神に憑依していると考えると、今はただ、この不毛な戦争を続けるしかない。
自分の国が滅びないように。
宰相「.....少し休まれてはどうですか?」
このところずっと忙しかった為、宰相が心配してくれている。
国王「仕事は終わっている...ただ」
宰相「レプリカの存在....ですか?」
国王「ああ、いきなりそんな事を言われたんだ、当たり前に考えていたものが一気に否定されたんだ、悩むに決まっている。」
宰相「そうですよね、いきなり信じろと言われて簡単に信じられるものでもありませんしね。」
それもそうだ、例えるとするならば
昔、地球に住んでいた人は太陽が地球の周りを周りを回っていたと、信じていたが、本当は地球が太陽の周りを回っていたと、いきなり言われるのと同じだ、
すぐに信じられるものではない。
しかしこれは現実であり真実だ。
頭ではわかっているのだが、やはり
国王「まずは、頭の整理だな。」
宰相「そうですね」
そう言って国王は宰相が入れたコーヒーを飲み干す。
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本編再開しました!
色々ありましたが、これからも応援よろしくお願いします!
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