第24話 勇者の成れの果て
ざわざわざわざわざわざわ
観客席——-
「なんだなんだ!?」
「女性の叫び声が聞こえる!?どこから!?」
「おい!見ろ!勇者様の婚約者達が!」
村の住民——-
「なぁ、あそこにあるのって、まさか」
「ああ、ミク達だしかし、様子が変だぞ?」
村長「酷く動揺しているな」
クロス父「そんなにもクロスに負けたことが悔しいのか?」
クロス母「いや、何かに怯えているように見えるわ。」
ミク父「戻ってる?のか何故だかわからないが、いつものミクになっている、そんな気がする。」
ミク母「一体何がどうなっているの?」
国王達——-
国王「どうやら勇者の魅了が解けたようだな」
宰相「しかし、凄まじいですねこれは」
王妃「ええ、今まで自分がやってきた行いが"覚えているまま"解除されているんですもの」
フローズ「彼女達にとってはあのままの方が幸せだったかもしれない、けど、あのまま勇者を放置していたら更に被害が出る、仕方のないことです。」
ざわざわ
クロス「どうやら、上手くいったようだな」
そういうとクロスは倒れて気絶している勇者マンルを見る
クロス「勇者と言うからには、少しはまともに戦えると思っていたのに、この程度とは、もし俺がこのままこいつを放置していても魔王軍との戦いですぐに死んで魅了は解けただろうな。」
形とはいえ勇者、そして別にどうでもよかったが、ミクとメミル、セシルを寝取った男、少しなりとも怒りがあったが、ここまでいくと哀れでしかない。
クロス(運命というのは実に残酷だな。)
彼は頭もよく、武術面でもそれなりに実力があった、だからこそ魔王討伐に行けるのだ。
だが、親が屑のせいで歪んだ性格が正当化され、周りからも利用される、勇者になってもそれは変わらず、数多の人たちの人生を奪った最低最悪な屑その成れの果てがこれか
魅了の能力を無くすため眼を奪ったため
目から液体が溢れ鼻や口などからも出ている、服も土だらけで下半身は糞尿で汚れている。
戦いが始まる前までは貴族...いや勇者らしい姿だったが、今はもうみる影もない。
クロスは剣を鞘に収めてお辞儀をし背を向ける、この戦いはとても呆気なく終わった。
国王「それまで!勝者英雄クロス!!」
俺がこちらに向かってくるのに気が付いたのか国王は慌てて言う。
ワァァァァァァァァァァァ!!!!!!
これまで以上に凄い声だ、勇者があんな感じになっているのに
まぁ、奴を心から尊敬している人間ないんでいないけどな
ミク「...くろす?」ピク
その瞬間マンルに操られていた者達の中で3人が反応した。
メミル「あ...ああ.....わたし.......わたしは」
セシル「お....お義兄ちゃん?」
それは、クロスの村にいた元婚約者達であった、背を向けて歩く姿を見る、間違いない、私達が愛していた人だ、
会いたい、あって謝りたい、それでもしよければ、また一緒に暮らしたい
そう思ってふらふらと立ち上がるとふと声が聞こえる。
フローズ「クロスー!」
彼の所に王女であるフローズが彼の所に走っていく、会場は一気にどよめく、
「え?何どゆこと?」
「今、王女様、あの英雄の名前を呼んでいなかったか?」
「嘘だろ、あの王女様が!」
村の住民——-
クロス父「.....」
クロス母「.....」
ミク父「.....」
ミク母「.....」
村長「白目になって気絶している」
クロス「...フローズ」ぎゅ
フローズ「おめでとう、クロス!」
クロス「ああ、ありがとう」
そう言って2人は抱き合う、
そこが闘技場だと忘れて
国王「おほん!!ではよろしですな?」
クロス.フローズ
「あ、はい」
国王「では今回、勝利した英雄クロスのお祝いをしたいのだが、周りがこの状況だ、よって後日我が城にて祝勝パーティを開こうと思う、異論はないな?」
クロス「は、有り難き幸せ!」
クロスも異論はない、こんなところにはいたくはない、
フローズから離れて国王に跪く、そして了解した。
国王「うむ、ではこれで勇者マンル対英雄クロスとの親善試合はこれにて終了とする!」
流石国王、この状況を速やかに変えるために、俺たちの戦いをすぐに終了させたな。
国王「では、倒れているゆう....あれ?」
王妃「どうしたのですか?」
国王は何かを言おうとしてやめた、何かあったのだろうか?
国王「勇者がいない」
宰相「なんですって!?」
先程まで倒れていた所を見ると確かにいなくなっていた、しかし
クロス「おかしいですね、今のあいつにそこまで動ける程の状態じゃないはず。」
フローズ「となると、誰かがあいつを助けたと言うことね」
魅了能力はもうないはず、一体だれが何のために、まさか本当にあんな奴に惚れている女性がいるのか?
フローズ「ん?...ああ、成る程やけに静かだと思ったら」
フローズは何かに気がついたようだ
クロス「フローズ、何かわかったのか?」
フローズ「ええ、あいつの婚約者達がいた所をよーくみて」
そう言われてみんなで見るそして
納得した。
そこにいたはずの彼女達がいない、つまり、彼女達が連れていったのだろう。
国王「ならば、事が済んだら呼べいいだろう。」
宰相「よろしいのですか?」
国王「構わん、それに」
こちらを見てふっと笑う
国王「国を救った義息子を祝わねばな」
王妃「!....それは....あらあら、ふふ」
フローズ「やったー!ありがとうございます!お父様!」
クロス「はい!ありがとうございます!」
こうして勇者対英雄の戦いは終わり、その情報はそこに滞在していた、他国の者達や吟遊詩人達によって世界中に広まった。
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次回は勇者sideとなりますが、私なりのざまぁ展開なのでご了承ください。
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