第25話 消えない傷、消せない過去



ん?此処は?僕は確か英雄に...


そうだ!英雄がズルして僕が負けたんだ!おのれ!卑怯者め

だいたい僕は勇者なんだぞ!負けるはずがないんだ、よし!早速国王のところに行って不正をした英雄は負けにして、

フローズを迎えに行かないと!


そう思って体を動かそうとすると、違和感に気づく


あれ?何で僕は目を閉じたままなんだ?

開けると世界が真っ白で何も見えない。


何故だ?そう考えていると周りに誰かがいる気配がする、


マンル「誰かそこにいるのかい?」


そう聞くと、


「はい、いますわ」


聞き覚えのある声

これは僕の婚約者の声だ、つまりここは


マンル「ここは、僕の屋敷なのか?」


「はい、貴方の屋敷です。」


ん?"貴方の"?


マンル「何を言っているんだい?僕のじゃなくて僕たちのだろ?」


変だな、彼女がこんなことを言い間違えるなんて、まぁそんな事はどうでもいい


マンル「なぁ、取り敢えずさあ、今目が見えないんだ、だから治せるメミルかセシルを呼んできて欲しいんだ。」


メミルは賢者だもしかしたら治す方法がわかるかもしれないし、その前にセシルは聖女だから治せるかもしれない、早く治してあの英雄とその家族を殺さないと


そう思っていたのだが。


メミル「その必要はありません」


セシル「貴方に治す価値なんてありません。」


マンル「君達、いたのかい!?」


ミク「はい、全員いますよ?」


マンルは見えていないが、マンルの婚約者50人全員がそこにいた、皆目に生気を宿しておらず、全てに絶望している。

それでもここにいる理由は一つだろう。


マンル「治す価値がない!?あるだろう!君たちは僕の婚約者なんだぞ!?」


友人「ええ、貴方の魅了能力のせいでね?」


マンル「魅了!?何を言っているんだ!?これは.....」


「これは?」


マンル「これは、みんなの本当の気持ちを僕に教えているだけだろ!?」


ミク「...は?」


何を言っているのだこいつは?徐々に怒りが増していくなかそれでも耐え話を聞く。


マンル「確かにこの力はその能力もある、けどそれは君たちが本当は僕のことが好きなのに素直になれないから、仕方なく使ったんだ!」


マンル「その後は君たちが素直な心になれるように使っていただけだ!」


つまり、魅了能力を使ったのはその時だけで後は全部私達の本心を引き出すために使っていたと?


成る程、彼は自分は間違っておらず、全ての女性は自分のことが好きだと、そうだ思っているわけね。


彼女達は思う


"ふざけるな"と


そのせいで本来の幸せを奪いあまつさえ取り返しのつかないことをした者達もいる、友人がいい例だ彼女の婚約者その家族はもういない、自分のせいで死んだんだ。


ほかの女性もそうだ、目の前で喜びながら犯されたり、指輪を目の前で壊して、婚約者の指輪を指ごとやったり、追ってくる者には両手両足を切断した者もいる。


しかも全部自分の意思で喜びながら


婚約者たちが絶望しているなか別の男に抱かれて喜んでいる自分



もう彼女達には死んだ方がマシだと思えるほどの地獄を今、味わっている。


そして、それをやった張本人が

憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い


そして、闘技場で倒れているこいつを運び今度は私達復讐する番


マンル「なぁ、わかったろ?だから早く僕の目を治してくれ!」


ミク「うるさいわね」


そう言ってミクはマンルの指を折る


マンル「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」


メミル「痛い?苦しい?」


セシル「でもね、1番痛くて苦しいのはね私達の婚約者、そして裏切った私達」


友人「だからね?貴方には私達全員と婚約者達の分まで」

 

女性全員


「たっぷりと味わってね?」


マンル「あ、ああ、ああああ」


マンル「やめろ、やめてくれ僕が何をしたと言うんだ?」


マンルは目から涙を溢しながら言う

どうやらまだ自分のしでかしたことに対して何も感じないらしい。


「いっぱいしたじゃない」


「私達の身体を弄んで」


「私達の人生を弄んで」


「婚約者の家族の人生を奪って」


「許さないから」


「絶対に」


「さあ、」


女性全員


「続きを始めましょ?」


そう言って一人一人マンルに対して色々なことをした。


「まずは動けないように」


ゴシャ


マンル「ああああああ、あ....足がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


「これでよし」


「抵抗されても困るから」


ボキッバキッメキッ


マンル「がぁぁぁぁぁ!!!!」ガク


「あらあら気絶しちゃって、でもね?」バシャ


マンル「ああああああ!!!!!」


「痛いでしょ?そうなるように色んな薬品を混ぜたのよ」


「あらあら汚いわね?勇者様♪」水バシャ


マンル「いいいいいいいいあああああ!!!」


「そうそうさっきの薬品の効果ね」腹ドスッ


バキボキベキ


マンル「ゴハァ」ビチャ


「痛覚4000倍と体の内部の老化」


「つまり、ふう」


マンル「イギっ!?」


「風だけでも痛いでしょ?」


「でも大丈夫!」ヒール!


マンル「!?」


「”傷”だけ治してあげるから。」


マンル「ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」


目が見えない恐怖、逃げ場のない絶望


様々な事が頭に浮かび、最早言葉すら言えない。


それでも彼女達はやり続けた、彼の心が壊れるまで、何度も何度も何度も何度も何度も、それでもやり続けるのは、

そうでもしないと自分の精神が崩壊するから、涙はとうに枯れ果て、それでもお互い励ましあって、生きてきた。


そして1週間後


マンル「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」


彼の心は完全に壊れ、そして女性に少しでも近づくと拒絶反応を起こすほどのトラウマを植え付けた。

マンルの能力は女性に対して聞くものその女性を怖がっている以上、最早魅了を使うこともないだろう。

そして彼女達は去って行った、

己の帰るところへ、たとえどんなことをされようよと謝罪をしよう、

どんなことをされてもいい、

それでも一目でも愛する人に会いたいと。


————————————————————

私なりのざまぁ展開です、なのでこれで我慢していただけると幸いです。

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