第18話 伝説の職業 英雄

国王執務室前


俺は今この国で1番偉い人のところに行く。


この世界では初めてのことだ、大丈夫だと思ってきたが、やばい少し緊張が


フローズ「クロス」


そう言って手を握ってくれた、相変わらず優しいな


クロス「ありがとう、フローズ、もう大丈夫だ」


フローズ「そっか、なら行きましょ」


クロス「ああ!」


そうしてまずフローズが先に入る、一旦ドアが閉まり、俺は入室許可を貰うまで待機する、それまでの間今日この国で買った新しい服を見てもう一度確かめる。


今回の作戦の肝は国王だその為にも俺達で話す必要がある、しかしたかが村人風情が普通会えるはずがない、なのでフローズが先に事の説明をしてその後俺が入る、その時村の服装じゃあ示しがつかない為、フローズが服屋で新しい服を一式買ってくれた、ありがたい。


そうして暫く時が経ち、奥から「入れ」

という言葉を聞いたそれと同時に「失礼します」と声をかけ、執務室に入る。


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国王執務室


国王(彼がフローズの言っていたクロスか、ただの村人には見えない何者だ?)


国王はフローズとの会話をもう一度思い返した。


フローズ『失礼します。』


そうやって入ってきた彼女は久しぶりにまともに見ることが出来た。


勇者が来てから勇者関連で仕事の量が増えとてもじゃないが家族との関わりなど出来ない状態だった。


宰相や自分の妻である王妃の力も借りて、様々な人達との協力のもとなんとか出来たのだ。


しかし、どんな時でも彼女を忘れる事はなかった、彼には5人も子供がいるがそれは全て男であった、今は跡取りとして世界を知り、より良い国づくりのために旅に出ている、娘が生まれた時は男の子と違った可愛さがあり、人懐っこい性格でメイドや執事もその可愛さにメロメロだった。


だからと言って、そこに甘んじるわけではなく、勉学は勿論、馬術や弓術、様々な物に興味を持ち何処に行っても恥などかかず、立派な姿を見せることができる女性へと成長した。


しかし勇者が現れてからはその元気な姿をほとんど見せなくなった、彼女自身は何事もなかったかのように振る舞うが、小さい頃からずっといる者たちはすぐに気づき、国王や王妃のところに行き、そのことを逐一話していた、本来であれば国王や王妃に挨拶や予定、何かしらの理由がない限り声をかけたり、その部屋に行く事は基本禁止で、これを無視すればそれなりの罰を受ける。


それでも行く者が多く、国王もこれ程娘のために行動する者達を罰則などせず、寧ろいつも関わることが出来ないため裏で色々とサポートをした。


だから彼女が国の外に出ていることも聞いてはいるが、勇者のせいでストレスが溜まっている中、更に溜まれば彼女の心が壊れてしまう。


だからこそ黙認しせめて彼女だけはと皆で協力していた。


ところがある日、彼女の表情が元に戻った、いや、それ以上だ。


さらに、外に出かける時はさらに凄く、ここ数年働いている者はわからないが古参の人達はすぐに見抜いた。


その姿はまるで恋する乙女のような感じだと聞いていた。


そしてその姿を見て確信する。


心が痛い、何処の馬の骨ともわからぬ者と自分の可愛い娘が知らぬ所で会っているなど!


勇者なら必ず殺す!!


そう思いながら我慢をし彼女の話を聞く


国王『どうした?フローズ、何か私達に話でもあるのか?』


フローズ『はい』


国王『わかった話してみよ。』


フローズ『ありがとうございます。』


フローズ『ですが、その前に一度会ってほしい方がいます。』


会って欲しい方?まさか...


フローズ『よろしいですか?』


国王『それは、その....』


そうたじろいでいると


王妃『ええ、良いわよ。』


国王『!?』


ちょっと!?何勝手に答えているの!?


フローズ『ありがとうございます。』


国王『ちょっと!何を勝手に!』ヒソヒソ


王妃『いずれは通る道です。諦めなさい』ヒソヒソ


国王『うう』シクシク


悲しいが、いずれはこうなるとわかっていた、けど小さかった頃のあの可愛い娘はもう遠くへ行ってしまうのか...


フローズ『入ってきてください。』


クロス『失礼します。』


そうして男が入ってくる、どうやら勇者ではないらしい。


それに安堵し、彼ら2人の話を聞こう。


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国王「成る程、確かにそれなら私の力でどうにかできるかもしれない。だが、無理だ」 


即座に断られた、しかし想定内だ。


俺達の計画は普通の貴族なら通用する方法だ、国で1番偉い者の力を借りればなんとでもなる。(それでも俺のような村人はその後がやばいが。)


問題は


フローズ「彼が勇者だからですか?」


国王「そうだ」


そう、マンルは勇者だつまり、こんなことをすればほかの国、もしくは聖教会の者達が黙っていないあらゆる手を使いこの国を滅ぼすだろう。


たとえ愛する娘の頼みでもここに住む大勢の罪なき人々を虐殺されるわけにはいかない。


そう国王は思うだろう。


だからこそ俺達がいる。


宰相「しかし、王女様、貴女ならそんな事わかりきっているはずです。もしかしてそこの貴方が関係しているのですか?」


そう言って鋭い視線を向ける、まぁ仕方ないことだが。


フローズ「彼、というより私達が関係しています」


宰相の質問にフローズはこう答える。


宰相「?それは一体どういう事ですか?」


宰相は疑問に思う、それはそうだろう、こんなの俺達しか知らないのだから


そう思っていると不意に


フローズ「クロス」


と言ってこちらを見る、どうやらもう教えるらしい。


クロス「わかったよ、フローズ」


そう言って並ぶ。


王妃が何かに気づき、国王に言う


王妃「もしかして、勇者に対抗できる何かを持ってるんじゃないの。」


国王「何?」


そう話している間に俺達は左手を見せる、そして輝きながら、その紋章を見せる。


それは、前世の頃にも現れたもの


例えどのような職業でも、誰かを救いたいと、愛する者を守りたいと、帰り待つ者のもとに帰るために、人間が抱く清い決意を抱く時に現れる、伝説の職業


 それは女神に選ばれたのではなく、

 人間が作りし職業


その名は英雄


勇者と表裏一体の職業である。


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補足


私の価値観で決めているのであしからず


勇者と英雄は同じヒーローと言う言葉です。


そして勇者は女神によって選ばれるのでどんなに屑でも選ばれる可能性がありますが


英雄は覚悟を決意を持った者にしか、現れない職業です。

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色々な作品を見て、勉強していますが

やはり有名作家の皆様は凄いですね。

小説家を目指しているわけではありませんが、ストーリー構成が上手く憧れますね



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