第17話 記憶の断片

前世、それは自分が生まれる前、生前より前の世界の記憶である。


それには様々な話しがあり、信じている者、信じない者様々いる。


貴方達は信じますか?


まぁ信じるか信じないかは貴方次第ですけどね、でもあった方がいいじゃない。


人の人生なんて一瞬、その一瞬が終わったら夢の中のような無なんて


そんなの悲しいじゃないの


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クロス「思い出した、まだ断片的だけど、少しずつ思い出して来ている。」


フローズ「ええ、でもまさか、"本当に叶うなんて"信じられない」


クロスとフローズの願い、それは前世の断片的な記憶の中で最も根強くある記憶


"平和な世界でゆっくり暮らしたい"


今は色々問題あるが、"あの世界に比べたら"随分と平和だ、ただ


クロス.フローズ

「..................」


もしこれが本当に前世なら、俺達はまだ出会ってない人達がいる。 


でもまずは


クロス「まずは目先の事をなんとかしないとな、それからだな、このことは。」


フローズ「ええ、そうね、でもまずは確認したいことがあるの」


クロス「...確認したいこと?」


フローズ「ええ」


確認とは一体なんなのだ?そう思いながらフローズを見ていると左手に紋章が現れた


クロス「紋章、てことは」


フローズ「.....やっぱり」


何故かクロスとフローズは分かっていたかのように冷静だ。


クロスの左手からにも同じように紋章が現れる。


ただ、


クロス「半分、か」


フローズ「ええ」


そう2人から紋章が現れたがクロスは右半分、フローズは左半分だけ現れた。


クロス「ハハッ俺達って本当に」


フローズ「フフッ運命で繋がっていたのね。」


2人はそう言って笑いだす。


前世の記憶、その断片の中に見えたもの、"4人"の選ばれし者が???と戦う姿、その中にクロスとフローズもいる。


クロス「懐かしいなぁ」


フローズ「ええ、本当に」 


そう言って楽しかった日々を思い出す、辛いことが多かったがそれでもあの時間だけは本当に幸福だった。


フローズ「また、会えるかな?」


クロス「どうだろうな」


もしまた会えるのなら今度こそは一緒に生きたい、あの日々をもう一度


そう感情に浸っているとふと思いつく、ただしこれは


フローズ「クロス」


考えていると不意に話しかけられる。


クロス「ん?どうした」


フローズ「クロスも考えていたんでしょ?」


どうやら彼女も同じことを考えていたらしい。


クロス「......いいのか?」


一応質問する、答えはわかっているが、この選択をすると


フローズ「いいのよ!」


そう言ってクロスの前に座る、そして抱きつく。


フローズ「皆んなとも、会えるかもしれないし、それに」


そして今度は俺の目を見て


フローズ「私は何処までも貴方についていくわよ?」


そう微笑む、その姿はとても綺麗で自然と俺も微笑み返してしまう。


クロス「ハハッ俺達って本当に面白いな」


そうして唇と唇が触れ合う、いつもと違う濃厚なものになりながらも2人はそれを止めようとせず、暫く続いた。


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次の日~国王執務室~


連日による仕事で国王も宰相も王妃もくたくただった。


勇者というのは魔王を倒す選ばれし者として、他国から様々な援助が出る。


それは我々が倒せない者達を倒す者としての礼でもあり、その恩恵にあやかろうとする者達の物だったりと形が違えど色々な物が手に入る。


この国場合勇者が旅立つまでの間の勇者が使った費用の全額負担とその時に起きた揉め事の対処、他国への援助の手続きなど、とてつもなくハードだった。


特に今回の勇者はおぼっちゃま、上位貴族に生まれたが為に金銭感覚がおかしく、

しかも、支払いは全額此方なのでタダで手に入ると思っているらしく、

服やらなんやらで多額の金額になり、

さらに女性関係で色々問題を起こしている為、

それの尻拭いなど、落ち着くまでに相当な神経を使ってしまった。


そんな中、一休みをしている最中にノックの音が聞こえる


国王「誰だ?」


そう聞くと


フローズ「私です。フローズです。」


————————————————————

さてさて、これからどうなるのでしょうかね?


"また"私の所まで来てくれるのでしょうか?


"あの時は"貴方達には力は無かった


でも"今回"は楽しませてくださいよ。


ねぇ?


???さん?


————————————————————

続く

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