第14話 番外編 家族
私達には息子がいない、しかし跡取りとか別に女性でも良いから欲しいとは思わなかった。
昔、冒険者をしていた頃、彼に出会って故郷である村に帰って結婚した、1人の娘が生まれご近所さんとも仲が良い、とても幸せだった。
所がある日、ここから離れたところの村が魔物に襲われたと聞いた、冒険者であった私達はその村に向かった、
その光景は多分生涯忘れないだろう。
地獄だった色々な所に死体や肉片が飛び散っており、家はボロボロ、あたり一面には鳥や虫が群がっており、生存者はもういないと思った。
あの泣き声を聞かなければ、
すぐさま駆けつけて見ると死んだ母親にしがみつきながら泣いている子供がいる見た感じ1歳か3歳くらいに見える、もっと近付こうとすると死んだと思っていた母親の手が動いた
ママ、ママと泣きながら呼んでいた子供は静かになりそして
「1年、1年間、あなたの........ママに......な....れて........ほん......とうに......よ.......よかった」
そしてごめんね、と涙を流し我が子に抱きしめて
最後にこちらを見て笑顔を見せた
"後はお願いね"
そう言っている気がした。
そして
力尽きた
子供は母親を揺すりながらママ、ママと呼んでいる
その瞳に涙はなく、漆黒に染まっていた。
その後、気絶した子供を連れて村に帰った、あの母親はきっと最後まで我が子を守ろうとしたのだろう。
彼に傷はなく、母親には無数の傷跡が残っていた。最早先程まで生きていたことが奇跡だった、私達にこの子を託す為に生きていたそんな気がしてならない。
それから夫相談して彼を私達の養子にすることにした。
名前は~クロス~
と名付けた
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それから、クロスとの生活が始まった、最初クロスは誰にも懐かなかった。
その瞳は世界に絶望し、全てを失った者
と同じ目だった。
ただ唯一私にだけは時折甘えてきていた。
それは服を掴んでこちらを見上げるくらいだった。それでも何となく何が言いたいかはわかる、そんな気がしていた。
本当は彼は皆んなと仲良くしたいのだろう、でも怖くて出来ない、だからつい距離をとってしまうそんな感じだろう。
村の皆んなはクロスに優しく心が開くまで待ち続けた。
そして1年後、
彼はついに心を開いてくれたそれには私達もとても嬉しくこれで本当の家族になれた気がした。
翌年、娘が生まれた
名前はセシル
姉のメミルとも仲良くなったクロスは2人で一緒にセシルの面倒を見ていた
(流石にオムツやミルクとかは無理だが)
その姿は微笑ましく私達の宝だそれは今までもこれからも
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それからも彼は仲良く暮らしそして14年の月日がたった。
勇者が私達の村に来た、どうやら仲間を探していたらしく、何とうちの娘達が選ばれたとか、コレは祝わなければならない。
勇者というのは女神に選ばし者の事それに選ばれ、さらに他の仲間もその褒賞金はバカにならない。
勇者の護衛としていた騎士達に相当な額の金額を渡された。
これさえあれば娘達が魔王討伐の後何があっても支える事が出来る、
それにクロスは家事全般が天才的に上手い、私と同じように仕事ができる、夫もこれくらい見習って欲しいものだ、だから娘達が外で働きクロスが家で家事をするでもいいかもしれない、
それに娘達は家事が壊滅的だ前に色々教えたが、冒険者としての才能はあったがそれ以外が恐ろしい程出来ない、
何故だろう。
そして1年後彼女達は帰ってきた、どうやら村人達で歓迎会をするらしくクロスはその案内人として呼ばれた、私達は部屋の掃除をして食材の買い出しに行っていた、歓迎会をする為に村人全員で行動していた為、隣村まで行って食材を買いに行き、
クロスが泣きながらこちらにきた。
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補足
何故村人の方がクロスの違和感に気づいたか?
彼女達は冒険者として活動をしていたので、一応養子にしているが、村の人達に任せてた時期の方が長い為、気付けた。
村の派閥や娘達の行動を知らないのか?
知らない、村の人達がこのことを言うと大変なことになると思った為言わなかった。
(証拠もないし、親しい友人が実はクロスを追い出す側だと知られたくないから。)
彼女達の束縛を知らないのか?
いつも一緒にいたし、最初のころはクロスの方がベッタリだった為、その延長だと思っていた。
騎士達の金を貰ったから娘を売ったのでは?
冒険者だった為世の中生きていくには金が必要だと知っていた為、勇者の仲間でしかも4職の職業の1人だと王都で暮らせるチャンスもあり、娘達の冒険者としての才能はあるため喜んでいた。
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義母「まさか、娘達があそこまで料理ができないとは。」
クロス「そんなに?」
義母「食材が全てダークマターになる。」トオイメ
クロス「…ああ」トオイメ
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次の番外編の村長の話で番外編は終わりで、本編に入ります。
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