第12話 婚約の条件

勇者が四職の職業を見つけてから数日後

ミク、セシル、メミルはそれぞれの分野の訓練の為、別々の所で訓練中の為、マンルはいつものように王女の所に行った。


マンル「やあ、フローズ、また愛しい僕が来てあげたよ。」


相変わらず気持ち悪い、懲りずに"使ってるし"しかも威力も強い、普通の人ならどんな事でも受け入れる程の力だ。


無論そんな物効かないが。


フローズ「あら、勇者様ごきげんよう。」


いつも通りに話す、いい加減諦めて欲しいものだ、しかし今回は都合がいい。


マンル「はあ、君はいつになったら素直になるんだい?君は僕がの妻となるのだから。」


フローズ「その事で1つお話しがあるのですが少々お時間をいただいてよろしいでしょうか?」


マンル「ああ、構わないよ」


さあて勇者様?精々自分の行いを恨むのですね。


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「.............」


マンルとフローズは庭の休憩時にて面と向かって話をしていた。


そこは周りが湖でただ座っているとなんとも心地よい音が聞こえてくる。


マンル「そんな事でいいのか?」


フローズ「ええ、それさえ守ってくだされば、貴方と結婚いたしましょう。」


その言葉を聞いて勇者は喜んだようやく、自分の魅力に気づいたのか!と

そしてこれが彼にとって最も難しい条件だと言うことも。


そして彼は破るだろう、そして彼は私にあの"力"を使って有耶無耶にするだろう。


彼の場合、私が彼とこうして話ししているのは"自分の能力にかかった"と思っているからだ。


マンル(世界の中心は僕、

だからシャイな君はこんなことを言って他の女性の所に行ってしまうのではないか?

と考えてこのようなことを言ったのだろう、

でも大丈夫きっとすぐ皆んなと仲良くなるし、

僕はただ彼女達を救っているだけだ。)


そうそれこそが彼女の狙いだとも知らずに。


フローズ「....では守ってくださるのですね?」


マンル「ああ!勿論だとも!男に2言はないよ!」


ニヤ


フローズ「そうですか、では私はこれで失礼いたします。」


そう言って立ち上がる。いつもなら呼び止める彼だが、自分の能力に彼女がかかっているのなら大丈夫だと思っているのか、何もしてこなかった。


コツコツと音をたてながらここからさっていく


その後ろ姿をみてマンルは性的な目で見ながらニタリと笑った。


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???


フローズ「言質は取れたかしら?」


   「はい!バッチリです。」


フローズ「そう」


そう言って彼女は先程の光景を魔道具で録画していた水晶を受け取り、再確認した。

フローズはそれを見て面白そうに笑っていた。


フローズ(これで後は彼奴が動けば、私達の勝ちよ!)


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それからしばらくして、マンルは私の所にはあまりこなくなり、その代わり訓練の見学と称してクロスの幼馴染み達に何かを教えている。


最初の頃はあからさまに毛嫌いしていたが、今は受け入れている。


勇者は私にバレていないと思っているのか?それともこんなことをしても平気だと思っているのか?


もしくは、ただの馬鹿か


そんなことを思いながら、王城の中から彼等を見下ろす。


そして、いつも通り彼の所に行く、計画も無事進んでい事を伝えなくては。


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クロス「ありがとう、フローズ」


そう言って頭を撫でる、そんなにも気持ちいいのだろうか?毎回のごとく頼まれているからやっているが、まぁ可愛いからいいっか。


フローズ「~❣️」


とても嬉しいそうだな、もっと撫でたいが、一旦やめる。


フローズ「(´・ω・`)しゅん」


途端に悲しい表情になる。

このまま弄りたいがそうすると後が怖いので、とりあえず


クロス「後でまたやるから、ね?」


フローズ「ぶー、わかった。」 


とりあえず了承する。


フローズ「んで、そちらの状況は?」


クロス「ああ、こちらも順調だ」


彼女の話を聞く限り、どうやら彼女達は徐々に彼奴に靡いてきている。


その証拠に手紙の頻度も減り、手紙の内容も俺から勇者のことについてが主になってきていた。


そのことを伝えると、フローズは微笑んで


フローズ「後もう少しね。」


そう言ってクロスに抱きつく、どうやらもっと頭を撫でろ!っと言うことらしい。

はぁとため息を吐きながら、彼女の頭を撫でる。多分、今俺も笑っているだろう。


クロス「そうだな」


そう言いながら撫でる、フニャ~と猫のように甘える、彼女の仕草はどれも可愛く、自然と心が満たされる。


10年、10年間も我慢してやっと、想い人と出会えた。


クロス.フローズ

(この幸せは誰にも奪われたくない。)


そう固く決意をし、その日を待つ。


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マンル『他の女性と関係を持たない?』


フローズ『はい、私は王族の国王の娘です。

そんな私と婚姻を結ぶのであれば、清い関係が1番いい、そう言えば勇者様は誰ともお付き合いをした事がないとおっしゃいましたね?』


マンル『ああ、僕はキスどころか手を繋いだこともない!』


フローズ

「では、守ってくださるのですね?」


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これが彼との約束だった。


そう彼は嘘をついていた。


彼は彼女をどうしてもものにしたいがために、

「僕はまだ誰とも関係を持ったことはない!あの噂は全部デタラメだ!」


と、彼女を騙そうとした。


しかし彼女は全てを知っている、彼女はいわゆる箱入り娘と言うわけではなく、どこに嫁いでも平気なように社交会は勿論、さまざま人達と知り合っている。


しかし彼は甘い汁を啜ってきた男、そんなことは知らない。


姫=無知


それが彼の認識だ


彼等はそこを狙った。


この約束をやぶれば、婚約はなし、水晶で録画しているため、嘘は言えない。そして彼奴は必ず破る。


後は、


クロス.フローズ

「ここからが本当の勝負....!!!」


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序章はとりあえず完結です。

次は中章です。







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