第10話 記憶の断片

翌日


フローズ「あっ!クロス!」


クロス「フローズ、今日は来るのが早いんだな。」


昨日約束、多分それを話せばもう後戻りはできないだろう。

しかし彼とならどこまでも出来る、そう実感している。


クロス「んじゃあ、どっちから話す?」


クロスがそう尋ねると、


フローズ「クロスからで」


クロス「即答かよ!.....まぁいいけど。」


そう言って一回咳払いをする、そしてクロスは自分の悩みをフローズに話した。


フローズ「...そう、だったのね」


クロス「ああ」


口数が減る、しかし言い出したのは私達だ、そして


フローズ「.......んじゃあ次は私ね」


クロス「....ああ」


そうして、フローズも自身の悩みについて話した。


クロス「.....成る程、ね」


勇者との結婚、そして勇者にはあの能力があると...ん?


クロス「なんでお前は効いていないんだ?フローズ?」


そう、その能力が本物ならフローズもかかっているはずだ、...しかし


フローズ「わからないわ」


わからない、か


フローズ「でも感謝もしているのよ?」


クロス「え?」


感謝?勇者に?あんなにもハイライトオフにして文句言っていたのに?


フローズ「こうして、あの屑が私のところにこなければ、貴方に会うこともなかったかもしれない。」


そうか、確かにそう考えると俺も


クロス「俺も感謝しているのかな?あんな地獄だけど君に会えたから。」


確かに今までは辛かった、でも心から許せる人に出会えた、今までの苦しみは自分達が出会うためだったと考えるとなんかロマンチックだ


しかし、話したはいいものの


クロス「............」


フローズ「............」


現状打破をする策が思いつかなかった

orz


そうこうしているうちに時間になり、2人はまた離れた。

この幸せなひとときが永遠に続けばいいのにと思いながら。


————————————————————

そんな日々が続いたある日


 ~王国にて~


マンル「いやぁ僕の可愛い花嫁さん今日もきたよ!」


はあ、気持ち悪い毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日私が何も言わない事をいいことに...........

はあ、彼に会いたい。


でも一応勇者だ国王の娘として、礼儀は弁えないと


フローズ「おはよう御座います、勇者マンル様、本日はどのようなご意見で?」


ああ、彼にこんな風に言ったらどんな顔をするだろう。


マンル「だから、勇者も様もいらないよって言ってるじゃんマンルでいいんだよ!マ•ン•ル!」


フローズ「ですから、毎度同じような事をおっしゃいますが、貴方様はこの世界を救う勇者様たとえ貴方がよくてもまだ婚約すらしていない者に、そのような事は言えません。」


クロス.....今頃何しているんだろう?会いたいなぁ。


マンル「それも何回も言っているけど勇者の僕がいいと言っているんだ、他の人間がどんな事を言おうと僕に逆らうことは出来ないんだ。」


はあ、この男"また使って"るよ、しつこいなぁ。


マンル「...............っ」


どうやらまた失敗して悔しいみたいざまぁみろ!


マンル「まぁいいさ、フローズ、今日ここに来たのは理由があってね。」


フローズ「あら、それはなんでしょうか?」


まさか本当に用事があったなんて、こいつもたまにはやるのね。


マンル「実はね、近くの村に4職の職業を持つ者がいるらしいと預言者が言っていたんだ。」


へぇ、近くの村に......ねえ、


ん?


マンル「僕はこれからそこに行かなくてはならないんだ。」


フローズ「それは何日ぐらいなのですか?」


マンル「なぁーに心配いらないよ、本当に近い村だから2日間くらいかな?」


フローズ「そうですか、わかりました、ではお気をつけてご出発ください。」


そう言ってこいつと別れる、そして彼女は考える。


ここ近辺である村はいくつかあるがその中で1番近いのは、




彼の村!




フローズ「!クロス!!」


もし彼がその4職の職業の1人だったら、そしたら彼と会えなくなる、それだけは、それだけは嫌!


もどかしい、何もできない自分が、無力な自分が、これじゃあ”前と同じ”じゃないか!


フローズ「前?」


何故前?いったい私は何を考えていたの?

わからない、ただ言えることは、彼とは昔にあった事がある、

それは、私が生まれるもっと前から。


クロスもたまにそうなると話していた、これはいったいなんなんだろう。


もっと昔から私は彼を知っている、

彼の声

彼の姿

彼の性格

初めて会ったのに、何故か"知っている"


それは彼も同じで私やお父様達しか知らない事を彼は知っていた、

ふと、つい言ってしまって驚く、

でも不思議に嫌な気持ちにならない寧ろ

私のことを理解してくれていると思えて嬉しい。

どうしてこうも彼とあいつは違うのだろう?


彼に会いたい、彼に会って色んな話をしたい。


彼は私を救ってくれた、彼はクロスは

私にとっての勇者様だ。


————————————————————

国王 _:(´ཀ`」 ∠):<仕事が終わらん。


宰相「頑張ってくださいよ!?こっちだってもう限界すよ!?」


王妃「あの勇者絶対殺す!」


勇者の悪行の尻拭いのために仕事が増えて苦しんでいる者達。

————————————————————

300人を超えました、本当にありがとうございます(`・ω・´)b


これからも頑張りますのでどうぞ宜しくお願いします。


キャラクター像はご自身の想像でお任せします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る