第29話 新平和戦線
厳しい行軍を癒す離反者のもとに突如として武装した集団が現れた
武装集団は離反者に銃口を向け、警戒する彼らのもとに中国陸軍代表である
百ノ原が提案を持ち掛けた
「我々の目的はあなたたちを新政府の一員に加入したい。その為にあなたたちは今回の戦い、まあ日本独立軍との戦いで英雄になっていただきたい」
「はあ?」
開口一番、その予想だに出来ない内容に花序大佐は素っ頓狂な声を上げた
しばらく困惑していたが、落ち着きを取り戻した
「.....とりあえず、あなたたちは我々の敵ではないということですね」
「そうですね。現時点では敵ではありません。ですが、貴方たちに選択権はありません。返答次第では銃を乱射します」
「!、分かりました。詳しく聞きましょう」
「ありがとうございます」
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ホテルのホールから横にある食事エリア
そこで離反者各要人、中国各要人が話し合われた
緊迫した状況だったが、百ノ原大将が最初に言葉を発し司会を務めた
「それでは自己紹介からですね。私は中国軍陸軍大将、百ノ原です」
それに呼応するように花序大佐が言った
「私は元正規軍隊大佐、現離反者代表、花序です」
そこから時計回りに自己紹介が行われた
やがて自己紹介が終わり場が和んでくると、百ノ原が本題を出した
「今、仙台では暴動が起きており、日本中で革命が起こっているのは知っていますよね?」
「はい」
「我々中国軍は革命を鎮圧し、再び日本を中国の支配下に置きたいと思っています。が、今回のように力の支配は失敗することが分かりました。心の掌握を計りたいと思います」
「なるほど」
「心の掌握」と聞いて、離反者の間には少しだけ平静が出来た
今、武器を使い離反者を強引に従わせている時点で「心の掌握」など花序は聞いて呆れたが、嫌な顔一つ見せず従順な様子を見せた
安堵が走り、百ノ原は今回の議題で一番重要部位を切り出した
「そこであなたたちにやって欲しいのは、日本人を助けて欲しいのです。我々の見立てでは日本独立軍という組織が1~2日以内で仙台に総攻撃をかけるはずです」
「そうですね、我々の存じています」
「あの組織は政治の何たるかをまるで理解していません。必要以上に建物を破壊し、戦争に無関係な一般人をなぶり殺す。これでは人々はついていきません。仙台に総攻撃をかければ、人種問わず被害が及びます。そこで、あなたたちは颯爽と駆けつけて英雄のように人々を救ってください」
「.....!」
もうここまで言えば、ほとんどの人が理解してくる
少し間を置いた後、話を決めた
「そこで民衆は理解するでしょう。誰が我々を統治するに値するか。鎮圧した後は花序を首相に日本人の光を将軍に立ててください。そうすれば.....」
「.....良いんじゃないですか?まあ我々にはYESしか答えられませんけど」
「ご了承していただき何よりです。合意していただけたということで同盟を組みましょう。新たな平和構想として新平和戦線を」
「是非」
強引に開かれた会議からわずか10分後
離反者と中国軍による同盟、新平和戦線が作られた
革命の鎮火は着々と行われている
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