第28話 離反者

スラムの東側にある港

貿易港として栄えており、宮城県で作られた商品がここを通じて海外に輸出される

また外国人が活発に出入りしており、国際都市となっている


仙台中心部と比較すると華やかさは劣るが、清潔さでは日本省一といっても過言ではない

土の場所は一切なく地面は全て磨かれた白い石になっている

ビルはあまり建設されてないが、ホテルや旅館やショッピングモール店など観光に特化している

海岸は美しく整備されゴミは一つも落ちていない


普段は治安がびっくりするほど高く一件も起きていないが、今はSNSによる日本独立軍の発表でその都市は治安が悪化していた

仙台中心部ほどではないが、それでも定期的に犯罪が横行している

その港に軍隊の離反者、花序らがいた


「さて、これからどうしようか」


5時、港のXXXホテル

スラム戦争での軍の離反者らは今回の騒動に便乗し関門を抜けた後、このホテルに一旦身を置いていた

ホテルのホールで皆が疲れた体を癒す中、花序大佐は言った


「仙台は荒れている。まあそのおかげで我々はこの都市に来ることが出来たから幸いというべきか.....。しかし政府も崩壊した今、我々を雇ってくれる人達はいるのか?一体どの組織に着くか、それとも我々独自で動くか、皆の忌憚ない意見を聞きたい」


その声に反応するかのように、皆は猫背を治し背をすっと伸ばした


「私は.....」


少将、泡沫は口を開け自分の意見を言おうとした時.....


ドン!


「!?」


どこかで爆弾が落ちた

その音と共に飛行機が低空飛行する音が聞こえる

また銃声の音も

治安が悪化したとはいえ、それでもこの大きい音

ホールにいた軍らはざわついた


「どういうことだ、何故急に爆弾の音がする」

「日本独立軍が攻めてきたのでは」

「いや、それにしては早すぎる。というか先に攻めるべきは仙台中心だろう」

「では、ただの犯罪行為の一つか。これは明らかに組織の犯行だ」


口々に今の事態を推察する中、今度はホテルの玄関が開いた

開いたというより爆弾で破壊されたという表現が正しく、その後銃や防具を着た奴らが離反者がいるホールの中に入ってきた


「な、なんだ?」

「日本独立軍か?」


更にざわつく中、入ってきた武装集団の一人がマスクを上げ姿を現した

その後、その離反者の集団に声を発した


「落ち着いてください、私は味方です」

「その顔、もしやお前.....」

「はい、中国軍陸軍大将、百ノ原です。ああ警戒しなくて大丈夫です。我々はあなたたちを歓迎します」


その声に呼応し、離反者を代表するかのように花序大佐が言った


「どういうことだ?」


百ノ原は一泊置いた後、ゆっくりと喋りだした


「我々の目的はあなたたちを新政府の一員に加入したい。その為にあなたたちは今回の戦い、まあ日本独立軍との戦いで英雄になっていただきたい」

「はあ?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る