第27話 立案

スラム戦から3日たつ

スラムから見て川の反対方向、かつて政府の軍隊が陣を張っていた場所に今日本独立軍が横へ並んでいた

雲一つない晴れやかな天気、空気は乾き、地は固くなっている

まさに戦闘を行うのに絶好の日


出撃を今か今かと待ちわびている日本人に対して、水面は言った


「もうここまで来たら言うことはない。戦闘開始!各自、役割を全うせよ」


その声に合わせて、全員が湧く

戦いのゴングが鳴った瞬間だった

______________________________________


12:00


スラムから仙台に渡る橋、関門で軍が立っていた

仙台鎮圧のために軍の大半は割いており、100人にも満たない


「なあ、ここ守る必要あるのか?」


兵士があくびを出し、近くにいた兵士に声をかけた

それに対しかったるい態度で対応した


「さあ?日本独立軍が攻めてくるとかあるから必要なんじゃない?まあ熾烈を極めている仙台中心よりマシでしょ」

「それもそうか。って.....おい」

「ん?何。ってうわああああ」

「日本独立軍が攻めてきたー!」


関門から見えるのは、地を埋め尽くす大軍

スラム中の日本人全員が集合したのだから、物凄い数だ

地響きが起き、台風がごとく周りの物をぶっ飛ばしている

その先頭に立つのは水面


「近くにある車や戦車、食料や武器を片っ端から盗め。まずは関門を占拠し、政府への連絡を絶て」

「了解!」


その大軍は近くにいる家から所かまわず盗みを働いている

人がいるいないに関わらず、中には強姦をしている者もいる

もはやどちらが正義を掲げているか分からない

関門100の兵力では像に歯向かう蟻と等しい


事の次第の大きさを感じた兵士はすぐさま政府に連絡しようとした


「おい、早く政府に連絡しろ。反乱だ」

「そ、そうd」


が狙撃により、脳天を抜かれ死亡

死亡した兵士を心配する間もなく、近くに生存していた兵士も同じく死亡

一方的な虐殺、普段とは真逆の光景がある

進軍してからたった1時間

日本独立軍およびスラム入居者は関門を占拠


「次は飛行場を占拠せよ、空軍を全滅するのだ」


12:30 関門占拠

2:00 飛行場到着

2:30 飛行場占拠

5:00 仙台以外の北の町全てを占領


スラム戦争により大打撃を受け、仙台での暴動で守りに精いっぱいの国軍はもはや敵ではなく、何もない荒野を行くがごとく反乱側は行き去った


が、水面には迅速な対応を迫られれていた

宮城には国軍の30%(30万人)が在籍しており都道府県では最多となっている

が裏を返せば7割の軍が万全の状態で日本中にいるということだ


彼ら全てが集まるのに要する時間は3日

3日以内に仙台を占領し、独立宣言を発表

日本国を建国しなければならないのだ


タイムミリットまで55時間

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る