第15話 国軍派遣

「日本独立軍万歳!」

「日本万歳!」

「革命万歳!」


2036年 6月7日 午後12時

スラム陥落

武器を持った日本人によって包囲された警察はなすすべなく惨殺

銃で一斉射撃された後、日本人が一人一人生死を確認するために警察の首を切断するという鬼畜ぶり

いかに憎んでいたかが分かる光景となった


その後、スラム内は何万ともいえる大群衆が水面を囲い、口々に「日本万歳」と叫ぶ光景へと変貌した

つい昨日までは警察による横暴・犯罪が常時化していた場所が今となっては無法地帯になるとは誰が予想できただろうか

水面はその不可能の反乱を指揮し成功に導いた自分の脳を自信気に持ち、大群衆の答えに満面の笑みを浮かべ答えた


「我ら日本人は中国から、家族を、友人を、私物を奪われてきた。だが、我々は今日から自由なのだ。我々日本人の再興はここから始まる!最終的に日本が我々の手に戻ってくるように私は諸君らを導く。自由の士、水面についてこい!」

「おおおおおおお、水面様万歳!」


実のところを言うと日本中でこういった数多く反乱は起こってきた

失敗した物もあるが、成功した物もある

水面はその成功した反乱の一つに入っているのに過ぎないのだ

なのに自分で「自由の士」と言うのは図々しいにも程がある

水面たちに来る本当の試練はここから始まるのだ


高揚している水面のもとに健二が切羽詰まった顔で言った

まるでこれからの困難を暗示しているかのように


「おい、水面!」

「うん?何?」


健二が水面に話しかけた

演説に水を差された水面は不愉快になりつつも、段から降り仲間のもとへ行った


「何だ、今いい所なのに」

「ああ突然呼び出して済まない。今、実は重要情報を掴んで水面に話さなきゃいけないと思って呼びつけた」

「分かった、それで何だ?重要情報とは」


その質問に健二は少し怪訝そうな顔をしながら答えた

自分から話しかけておいて、いざ話すとなると気分を悪くするという対応

その重要情報の重みを感じ取り、水面は少し引き締まる

重々しい口を開き、健二は言った


「攻めてくる、軍隊が」

「軍隊が!?何で?今反乱してすぐだぞ!警察どもの息の根は止めた。いや仮に警察どもが本部に連絡したところで軍隊というものは直ぐに動けるものではない。審議してようやく始まるものだろう」

「実はスラム入居者の中にスパイがいたようで。取り押さえて拷問して吐かせた情報によると、そいつは反乱が始まる前から本部へ連絡していたらしい。その要請を受けて出動となったわけだ。数は2万人。だが戦車は出るそうだ」

「くそっ!祖国を売るゴミ売国奴が!日本の発展を邪魔しやがって.....」

「どうする?水面。逃げるか?」

「いや.....立ち向かおう、我々日本人の自由のために。独立していくうえで、これから困難を乗り越えていかなければならない。2万なんて、ちっぽけな数だ我々の目的に比べれば米粒に等しい」

「再び戦おう、日本の独立のために」

「そうだな、戦おう」


今、水面にとっても組織にとっても日本にとっても第一関門となる高い高い壁が近づいている所だった

スラム5万人&日本独立軍VS正規軍隊2万人(戦車あり)

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