第14話 完全制圧
大炎上でパニックになり、収拾着くまでに1時間半
そこから火を消し始めるのに40分
水面・宮、他日本独立軍のかく乱により再びパニックになり50分
ようやく落ち着きを取り戻してきたのに20分
たった少しの火が燃え盛るがごとく事態は時間を過ぎるたびにどんどん大きくなり
ようやく「普通」に戻るに計3時間20分かかった
その間に日本独立軍は暗躍し、見事スラム中のほとんどの人間を味方につけることに成功する
そして、その人間全員がトラックに積んである武器をバレずにとることにも成功する
ちゃくちゃくと反乱は近づいていった
「はあはあ、ようやく収まった」
「一体何だったんだ?」
ありもしない外側からの敵を警戒し、無駄な時間を費やす
そこら中の警察は疲れ顔へと変貌していた
冷静になった警察は事の発端である犯人を取り囲んでいたところだった
いくら日本人独立軍が精鋭だとしても顔を見られてしまうのは避けようがなく水面・宮・そのほか日本独立軍のメンバーは銃口を向けられていたところだった
「お前ら!こんなこととしてタダで済むと思ってんのか!本部に連れ帰った後は拷問するからな!」
「はは終わったな.....」
「普通の死に方できると思うなよ。苦しんで苦しんで死なせてやるから、覚悟しとれ!」
プルルルルルルルルル
聞きなれた機械音、電話音が鳴り響いた
水面は震えていた電話を取り出し電話に出た
「はい.....健二か.....どうだ今の状況は」
「お!仲間か?ちょうどいい、そいつに自分たちは失敗しましたと報告するんだな!」
電話の主は健二であった
ここで水面が求めている報告はただ一つ「成功した」
スラム中のほとんどの人間を説得したのか、武器を取ったのか
報告で自分たちの命運が決する
水面は今まで体験したことのない緊張を味わっていた
「.....」
心臓の音がよく聞こえる
「リーダー」
「何だ」
「作戦は.....成功しました。我々の勝利です!」
その報が聞こえるやすぐに、水面は取り囲んでいた警察どもに言った
「お前ら.....死ね!今ここで死ね!」
「?、何言ってっっっ、」
パン!
その瞬間、銃声が鳴り響いた
警察の方からではない、それよりも外側から.....
発射された鉛玉は見事にイキっていた警察の眉間を貫いた
「なんだ、誰だ今のは!」
スパイに当たったならまだしも、味方の警察に当たって倒れている
警察たちが興ざめ顔を上げて、周りを見渡すとそこには
「日本独立軍万歳!」
「日本万歳!」
「革命万歳!」
「あ、ああ.....」
「何故、スラムの奴らがここに.....」
「待ってくれ、俺たちは仲間だろう!?」
顔を青くし固まる
周りは怒り狂った暴徒たちに囲まれていたのだ
「ふ、ふふふふ、あはははははっははははははは」
その素晴らしい光景を確認すると、水面は暴徒たちに射殺の命令をした
「殺せ!」
その声を最後に警察たちは銃口の餌食になった
人生最後に聞いた言葉が「殺せ」という、最後の最後までくだらない人生
金や命のために祖国を売った者たちの末路が銃殺刑
対して、ひ弱な心を持っても祖国のため自由のために立ち上がったスラム住人
警察たちはスラム住人の未来が決して良いものだと決まっているわけではないが、それでも後悔せずにはいられなかった
悔しさとも別の悔やみの後悔
「ああ、こんな人生なら祖国を守るために立ち上がっていれば」
仙台市内大規模スラム 完全制圧
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