第10話 一歩
「来た.....」
「来ましたね.....」
向こうから収穫から帰ってきた人達が来る
両手には分厚いお札と袋いっぱいに詰められているコメを持ち抱えている
日本人から吸い上げた収穫物
今日この日、水面率いる日本独立軍は計画した反乱を実行していた
弥生・健二率いるグループがスラム住居者へ反乱を誘う
そして、それがバレない様に水面・宮率いるグループが中国人をトラックへととどまらせる
この計画最難関のミッションが始まろうとしていた
「はあー、疲れたー」
「あいつら素直に収穫物を渡さないですからね」
「さっさと渡せよ、あのゴミ民族が」
その集団は口々に文句を言い合っている
聞いている方はとても辛いだろう、水面は拳を震え上がらせていた
「くそ.....あいつら。殺してやる」
「待って!今出たら気づかれる。落ち着いて」
今にも襲い掛かる気配を感じ取った、宮が水面を制止した
感情任せに動こうとするのは水面の悪い性格だろう
ハッと我に帰り、一呼吸おいて冷静になった
「はあはあ、そうだな。ここで見つかったら全てが台無しになる。ごめん」
「しっかりしてください。私たちはあなたを信用しているんですから」
そう宥められ水面は腰を再び低くした
彼らの目線の先はトラックに収穫物を積み込んでいる警察がいた
彼らは日本人から強奪した米や農作物、現金などの大量の収穫物を次々とトラックへ積み込んでいた
スラムにいる日本人の数は5万人なので、その量の多さは圧倒的だ
作業が終わった人たちはそこら辺をだらだらを歩いている
「それじゃあ、そろそろ行くよ。宮」
「はい」
そう水面が声をかけると、そそくさと場所を移った
水面たちはそこら辺にうろついている警察の前に近づいた
「それじゃあ、行くよ。いっせいので!」
そう掛け声をした後に、水面たちは近くにいた警察の口をふさぎ
もう一方の手で首を絞めた
「むっ!」
水面たちが挑む第一関門
それは、警察に変装する
気づかれないように暗殺した後、身ぐるみはぐるみ奪い取って着替える
まずはそこからだった
「っ.....」
この窒息死させるために、何度も何度も練習してきた水面たちにとって、ミスという言葉は辞書に存在しなかった
口を押えられ、何もできない状態に陥った警察2人は、しばらくもがいていたが
数十秒経つと、静かになった
それを見届けると、水面たちはほっと息をついた
「なんとか第一関門クリアだね」
「そうですね。それじゃあ早く着替えましょう。時間との勝負です」
「そうだな」
水面たちは窒息死させた警察の服装をはぎ取り、急いで着替えをした
警察の服装に変装した水面たちの姿は何ら他の人と変わりない様子だった
「.....」
水面にとって最初に殺した1人になる
普通なら恐れおののくだろうが、水面にとって殺人とはもはや息をするのと同意義であった
その証拠に犠牲者の姿を眉ひとつ動かすことなく平然と見つめている
これから始まる、水面の復讐劇が
そして、彼のサイコパスな性格が後々災いしてくるだが、この時は彼ですら最悪の結末を知らない
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