第7話 仲間集め
6月6日
仙台でのスラム占拠の日
水面が仮リーダーに抜擢されたあの日、スラムを占拠するための作戦会議が開かれた
そして、今日が実行日である
「それじゃあ、私は注意を引き付けてくるから。その間に説得よろしく」
「分かった。だけど仮リーダーだけで大丈夫か?もう1人連れて行ったら......」
「別に大丈夫だよ。お前ら4人でお願い」
「わ、分かった」
スラム占拠作戦の内容それは
一極集中
ここスラムには365日24時間銃をもった警察がうろうろしている
もし怪しい動きをしたら有無を言わさず射殺されるのだ
そんな物騒なスラムにも変化はある
それは月に一度の収穫物納品日
政府から派遣された税収者が日本人の各家庭に訪問し、重税を取る
重税なので納められない物も一定数おり、抵抗するものもいる
そのためいつもより大量の警察や武器が送られるのだ
各家庭に訪問する税収者1人に着き、銃を持った警察が1人配備される
その後、税収者と警察は収穫物をトラックに積み込む
つまり一時的にスラムと武器を積み込んだトラックから離れるのだ
警察の目が行き届いてない時間を利用して、スラム住居者へ反乱を誘うのだ
しかし、警察が再びスラムへ戻ってこないためにも、トラックの方へとどまらせる必要がある
各々各メンバーに役割を与えられている
・神楽 弥生、真波 健二 スラム住居者の反乱の説得
・紙上 水面、灯 宮 警察をトラックの方へ集中させる
・滴模 生井 見張り
これが反乱の計画の全貌
健二は水面と離れた後、計画の難しさに頭を抱えていた
不平を隠しきれず、側にいた、こんな時でも白衣姿の灯 宮に話しかけた
「警察と税収者がトラックに行くところまでは良いよ。でもその後、バレない様になんとかするってどうするんだ?このスラムにいる十人全員、何人いると思ってんだ?5万人だぞ。5万人。途中で絶対バレるって。不可能」
一通り不満を聞き遂げた後、灯がこう言った
「そうとも限らないです。ほら見てください、警察の方々の面々を。険しい顔ですがどこか気の抜けているような。その証拠に銃口の先が下を向いている。隙がありありですよ」
「......確かにそうだな。後はリーダーを信じるしかないな」
「いざという時は水面に責任転覆して全力で逃げれば何とかなります」
「俺たちは俺たちで行動するか」
一通り話し終えたと、彼らは見つからないように草むらに隠れた
警察に顔を知られると、結構後が辛いため隠れる必要があったのだ
「お願いします、それを持っていかれると家族が飢え死にしてしまいます。どうか、それだけは......」
「うるせえ、お前の物は俺の物、俺の物は俺の物だ」
税収者によるスラム住人への、納税が始まった
日本人にとっても分かっていたところではあるが、それでもいざ取られるとなると抵抗する人が後を絶たない
抵抗しても死ぬが、抵抗しなければ餓死する
ならいっそ開き直って、不平不満をぶつけて死ぬ
「ひどいな......」
銃声の音があちこちで鳴り響き、血しぶきを上げる
散々たる状況
卑屈この上なし
一通り規定額の税収を終えた人たちが、トラックの方へ帰っていくのを見届けると
水面を除く日本独立軍はすくっと立ち上がった
「それじゃあ行くか、説得に」
「うん」
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